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シュナイダーエレクトリックが考える産業用IoTで成功するための2つの注意点FAインタビュー(1/3 ページ)

フランスのシュナイダーエレクトリックは独自のIoT基盤など産業用IoTへの取り組みを強化しているが、重点領域の1つとして産業用機械向けのIoTソリューションを展開。同社のマシンソリューション事業への取り組みとシュナイダーエレクトリックの産業用IoT分野における強みについて、シュナイダーエレクトリック インダストリービジネス マシンソリューションズのシニア・バイスプレジデントであるアリ・ハジ・フラジ氏に話を聞いた。

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 ビルオートメーションやプロセスオートメーションなどのグローバル企業であるフランスのSchneider Electric(シュナイダーエレクトリック)は独自のIoT(モノのインターネット)基盤など産業用IoTへの取り組みを強化するが、重点領域の1つとして産業用機械向けのIoTソリューションを展開する。このマシンソリューション事業への取り組みとシュナイダーエレクトリックの産業用IoT分野における強みについて、シュナイダーエレクトリック インダストリービジネス マシンソリューションズのシニア・バイスプレジデントであるAli Haj Fraj(アリ・ハジ・フラジ)氏に話を聞いた。

シュナイダーエレクトリックの産業用IoT基盤「EcoStruxure」

 シュナイダーエレクトリックは、日本ではデータセンター向けのソリューションでのイメージが強いが、海外ではビル制御や工場、プラント制御などで多くの実績を持つエネルギーマネジメントとオートメーションの企業である。同社では以前からエネルギー管理やオートメーションの領域でIoT関連技術を活用していたが、これらの知見を生かした産業用IoT基盤「EcoStruxure(エコストラクチャ)」として取りまとめ、産業用IoT領域での取り組みを本格的に強化している。

 「EcoStruxure」は産業ドメインごとの特徴を織り込み、最適な形でIoT活用が実現できるようにしたアーキテクチャであり、製品レベルの「Connected Products」、制御レベルである「Edge Control」、これらで得た情報を分析したり活用したりする「Apps、Analytics&Services」の3つの階層で構成される。ガチガチに固められたパッケージというよりも緩やかなテンプレートに近い位置付けである。

 これらのアーキテクチャをベースに産業や業界、使用用途に合わせたサービスの形を作り、ソリューションとして提供している。基本的にはオープンな国際標準技術の組み合わせでソリューションを構成する考えだという。対象の領域はビル、データセンター、産業用途、インフラ領域の4つに絞り込んでおり、さらに重点対象事業者としては「ビル」「電力」「IT」「産業機械」「プラント」「送電網」の6つを設定している。

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「EcoStruxure」の概念図(クリックで拡大)出典:シュナイダーエレクトリック

 この重点領域の1つである「産業機械」に向けた提案が、マシンソリューションである。マシンソリューションズは基本的には産業機械メーカーがIoTを活用したサービスなどを容易に実現できるようにした取り組みである。シュナイダーエレクトリックが持つ制御やセンサーなどの製品群や、アーキテクチャ、サービス、専門家の知見などを組み合わせて提案する。

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マシンソリューションズのイメージ(クリックで拡大)出典:シュナイダーエレクトリック

 さらに産業機械の中でもターゲットとする用途を絞り込んでおり、専門性を高めていることが特徴だ。グローバルでは「包装機」「飲料、食料系機械」「農業機械」「素材搬送機器」「材料加工機」「半導体、エレクトロニクス関係」「巻上機」「ポンプ」「HVAC」「冷凍機」など10領域を対象としている。日本ではこの中で6分野に絞り込んだ取り組みを行っているという。

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マシンソリューションズの重点用途10分野(クリックで拡大)出典:シュナイダーエレクトリック

 さらに、同社のマシンソリューションズでの特徴が「専門技術者によるノウハウを含めて提供する」ということである。同社では専門技術者を「アプリケーションデザインエキスパート(ADE)」「システム&アーキテクチャエキスパート(SAE)」「プロダクトアプリケーションエキスパート(PAE)」「プロダクトマネジャー(PM)」の4つに分けて認定し、31カ国で400人以上の技術者が活動を続けている。これらの技術者が現地の環境に合わせた最適な産業機械向けIoTを提案し、さらに成功事例などを共有することで、より早く成果が得られるソリューションを実現できるとしている。

 これらの取り組みにより、マシンソリューションズ事業は、2010年以降、案件ベースで年率20%以上の成長を見せており、さらに今後も2桁成長を持続する見込みだとしている。

 次ページからはフラジ氏のインタビューをお送りする。

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