ニュース
位置検出精度が光学式エンコーダーと同等のACサーボモーター:組み込み開発ニュース
日本電産と日本電産サンキョーは共同で、位置検出技術「Zignear」を採用したACサーボモーターを開発した。光学式エンコーダーと同程度の優れた位置検出精度、追随性を備える。
日本電産は2022年6月9日、日本電産サンキョーと共同で、位置検出技術「Zignear」を採用したACサーボモーターを開発したと発表した。産業用ロボットやAGV(無人搬送車)などに適する。
Zignearは、モーター付属のマグネットと汎用電子部品を活用した位置検出技術。
従来のブラシレスDCモーターの課題であった、ホールセンサー取り付けや感度などのばらつきを補正するアルゴリズムにより、位置検出精度を高めている。
今回開発したACサーボモーターは、磁気式エンコーダーと同程度に部品点数が少なく、既存の磁気式エンコーダーと同様の形状のため、容易に置き換えられる。一方で、位置検出精度や追随性は光学式エンコーダーと同レベルの性能を有し、位置検出誤差の最高精度機械角は±0.02度未満となっている。
分解能は17ビット。AGVに搭載してシステム試験を実施したところ、従来の17ビットACサーボモーターと同レベルで動作することを確認した。
同製品と汎用マイクロコントローラーを併用することで、磁気式エンコーダーで一般的に用いられるシリアル通信や光学式エンコーダーのABZ相出力、PWM出力、電圧出力などさまざまな出力形式に対応可能となる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日本電産の半導体戦略は、半導体メーカーに「作りたい」と思わせること
日本電産は2022年6月7日、半導体ソリューションセンターに関する説明会を開いた。同センター 所長の大村隆司氏(日本電産 執行役員 副CTO)が出席し、同センターの役割や狙いについて説明した。 - 日本電産はE-Axleを2023年度に黒字化、ステランティスとの合弁事業も貢献
日本電産は2022年4月21日、2021年度(2022年3月期)の連結決算を発表した。売上高は前期比18.5%増の1兆9182億円、営業利益が同7.2%増の1715億円、当期利益が同12.2%増の1369億円で、いずれも過去最高を更新した。 - キヤノンがAGVなど移動ロボット市場に参入、日本電産グループと協業開始
キヤノンは2020年8月5日、「移動ロボットの眼」となる「Visual SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術」を含む映像解析ソフトウェアを協業メーカーに提供することで、自律型AGV(無人搬送車)やAMR(自律走行搬送ロボット)市場に参入することを発表した。第1弾として日本電産シンポと協業し、同社が展開するAGVに映像解析システムを提供する。 - “産業界のオスカー”「ロボット開発を1年短縮する」一体型アクチュエーターが受賞
世界最大級の産業見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)」(2022年5月30〜6月2日)において、Sumitomo Cyclo Drive Germanyの産業ロボット用オールインワンアクチュエーター「TUAKA」が、産業用技術の賞「HERMES AWARD 2022」を受賞した。 - “ニコンのロボット”を外販へ、アクチュエーターやカメラで独自技術を採用
ニコンは、「2022国際ロボット展(iREX2022)」(東京ビッグサイト、2022年3月9〜12日)に出展し、独自のダブルエンコーダー構造を採用したインテリジェントアクチュエーターユニットと、認識用のスマートカメラ、治具としてピンセットを用いるハンドなどを組み合わせた独自のロボットシステムを紹介した。既にニコン内の工場では実用化しており、今後システム販売およびデバイスとしての販売の両面で検討を進めていくとしている。 - 分解能を8.8倍に、レーザー加工を高精度化するガルバノスキャナー向けモーター
キヤノンは2022年1月13日、レーザー加工装置におけるレーザー光の向きを自在にコントロールするガルバノスキャナー向けモーターとして「GM-2000シリーズ」3機種を発売したと発表した。