分解能を8.8倍に、レーザー加工を高精度化するガルバノスキャナー向けモーター:FAニュース
キヤノンは2022年1月13日、レーザー加工装置におけるレーザー光の向きを自在にコントロールするガルバノスキャナー向けモーターとして「GM-2000シリーズ」3機種を発売したと発表した。
キヤノンは2022年1月13日、レーザー加工装置におけるレーザー光の向きを自在にコントロールするガルバノスキャナー向けモーターとして「GM-2000シリーズ」3機種を発売したと発表した。
ガルバノスキャナーは、先端に取り付けたミラーでレーザー光の進む方向をコントロールし、レーザー光を狙った位置に照射するための装置である。高精度なレーザー照射をよりコンパクトな光学制御系で実現できることから、レーザー加工機、レーザー溶接機、3Dプリンタ、レーザーマーキング装置などに採用されている。一方で、製品の微細化や高精細化が進む中で、ガルバノスキャナーにも高精度化が求められてきていた。
キヤノンでは、従来ガルバノスキャナー向けモーターとして2008年から「GM-1000シリーズ」を展開してきたが、こうした新たなニーズに対応するために14年ぶりに新たに製品化したのが、「GM-2000シリーズ」となる。
新製品は、自社開発の新光学式エンコーダーを搭載したことにより、従来機種である「GM-1000」と比べ約8.8倍、「GM-2015」と比べ約5.8倍の分解能を実現し、モーター軸の回転角度をより高精度で制御できるようになった。また、光学式エンコーダーとデジタルサーボ技術により、温度変化に伴う加工位置の変化がアナログ式製品と比べ圧倒的に小さく、安定した生産を行える。
また、従来機種と外形サイズが変わらないため、従来機種を搭載したガルバノスキャナーを更新し、高精度化を図ることが可能。価格は「モーター単体で15万円前後で、従来機種の1.3倍程度の価格帯になる」(キヤノン)という。ただ、従来モデルも併売するため、用途に合わせて使い分けることができる。
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