2024年度までに顧客のCO2排出を1億トン減、日立が推進する2つのグリーン戦略:脱炭素(2/2 ページ)
日立製作所は2022年6月13日、事業戦略説明会である「Hitachi Investor Day 2022」をオンラインで開催した。同社 執行役員常務 Chief Sustainability Officer 兼 サステナビリティ統括本部長 兼 グローバル環境統括本部長のロレーナ・デッラジョヴァンナ氏と、同社 執行役常務 CTO兼研究開発グループ長である鈴木教平氏が登壇し、同社の脱炭素に関するスタンスや事業戦略、今後のイノベーション戦略について説明した。
先端研究含め研究開発に1兆1000億円投資
CTOの鈴木氏は、日立製作所のイノベーション戦略の方針を説明した。
同氏は「2021中期経営計画」期間中の取り組みを振り返り、「研究開発拠点である『協創の森』(東京都国分寺市)を中心に、技術基盤のアップデートやスタートアップとの協創を拡大した」と語った。「2024中期経営計画(以下、2024中計)」では、こうした取り組みをさらに加速し、同社の人材基盤や顧客チャネルをグローバル体制で活用するとした。
2024中計では先端研究に累積1000億円を投資するとともに、グループ全体の研究開発投資を2021中計の約8744億円から1兆1000億円にまで拡大する。また、新たにスタートアップ企業への投資を含むコーポレートベンチャリング枠を500億円追加して、将来的な社会課題の解決に向けたイノベーション創出を進める。今後は、さらにコーポレートベンチャリングを強化していく方針という。
同社のグリーン戦略に関わる領域での研究開発も加速する。例えば、日立製作所のグループ企業である日立エナジーが持つ電力系統、高電圧技術に、電気化学や絶縁技術を組み合わせて、大規模かつ低コストな水素製造システム開発を目指す。人工光合成の開発も進めて、「CO2から直接燃料を合成する、植物を超えるようなCO2燃料化サイクルにチャレンジする」(鈴木氏)という。2024年までにシステム検証を実施する予定だ。
グリーン戦略以外の領域では、バイオメディカル技術や環境、医療サービス創出に向けたデータ活用技術、シリコン量子コンピュータ技術といった分野でイノベーション創出に取り組む。
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