2024年度までに顧客のCO2排出を1億トン減、日立が推進する2つのグリーン戦略:脱炭素(1/2 ページ)
日立製作所は2022年6月13日、事業戦略説明会である「Hitachi Investor Day 2022」をオンラインで開催した。同社 執行役員常務 Chief Sustainability Officer 兼 サステナビリティ統括本部長 兼 グローバル環境統括本部長のロレーナ・デッラジョヴァンナ氏と、同社 執行役常務 CTO兼研究開発グループ長である鈴木教平氏が登壇し、同社の脱炭素に関するスタンスや事業戦略、今後のイノベーション戦略について説明した。
日立製作所は2022年6月13日、事業戦略説明会である「Hitachi Investor Day 2022」をオンラインで開催した。イベントの中では、同社 執行役員常務 Chief Sustainability Officer 兼 サステナビリティ統括本部長 兼 グローバル環境統括本部長のロレーナ・デッラジョヴァンナ氏と、同社 執行役常務 CTO兼研究開発グループ長である鈴木教平氏が登壇し、同社の脱炭素に関するスタンスや事業戦略、今後のイノベーション戦略について説明した。
「GX for CORE」と「GX for GROWTH」の2本柱で推進
グリーン環境統括本部は、環境事業において日立製作所が掲げる「GX for CORE」と「GX for GROWTH」という2本柱のグリーン戦略を統合、実行することで、事業成長を目指す組織である。同本部の環境インターナルイニシアティブ本部にはモノづくりのノウハウをもつ同社 執行役常務の正井健太郎氏が、グローバル環境事業本部には研究開発経験を持つ森田歩氏が在籍しており、日立製作所の長期環境目達成に向けた取り組みを推進する。この他、欧州や北米、日本などに地域部門を設置して、各所でのグローバル人材任命も進めている。
1つ目のグリーン戦略である「GX for CORE」は、GHG(温室効果ガス)プロトコルにおけるスコープ1〜3のCO2排出量削減や、製品開発の改善などを通じて循環型社会の実現を目指すものである。日立製作所は2030年度までにスコープ1、2の排出量はゼロに、スコープ3については2010年比で50%削減し、さらに、2050年度までにスコープ3のカーボンニュートラルを達成する目標を掲げている。
スコープ1、2の削減においては再生可能エネルギーの生産、買い取りや、グリーン電力証書の取得、カーボンクレジット購入などの施策を組み合わせて達成を目指す。省エネと再生可能エネルギーの発電に関する取り組みには、今後3年間で約370億円を投資する計画だ。デッラジョヴァンナ氏は「サステナビリティへの取り組みは単なるコスト増ではなく、企業価値向上の原動力になる」と強調する。
2つ目のグリーン戦略である「GX for GROWTH」は、日立製作所の製品ポートフォリオ拡充を通じ、E2E(End to End)のソリューションをセクター横断で同社顧客に提供することで、顧客のCO2排出量削減を支援することを目標にする。2024年度までに年間約1億トンのCO2削減を目指す。エネルギー転換やモビリティの電動化、省エネを実現する各種ソリューションの展開を加速する。例えば、電動自動車(EV)に関してはEVバリューチェーンの拡充や、バスや小型商用車などのEV化を促進するソリューション提供を進める。
デッラジョヴァンナ氏は「当社は気候変動緩和のための技術イノベーターを目指す。グローバル環境偉業本部は別ユニットの事業ポートフォリオとリンクし、各事業部のGX(グリーントランスフォーメーション)を支えていく」と語った。
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