強いプロダクトをつなげる、日立最大規模の新セクターはシナジーを生み出せるか:製造マネジメントニュース(3/3 ページ)
日立製作所は、オンラインで開催した投資家向け説明会「Hitachi Investor Day 2022」において、新たに組織された「コネクティブインダストリーズセクター」の事業戦略を説明。同セクターの事業目標として、2024年度に売上高で2021年度比16%増の3兆2000億円、Adjusted EBITDA率で同3.6ポイント増の13%を目指す。
北米市場では年平均22%の成長を狙う
コネクティブインダストリーズセクターの地域別売上高で成長が大きく期待されているのが北米だ。2021〜2024年度の年平均成長率で22%もの伸長を狙っている。先述したサルエアーやロボットSIer大手のJRオートメーション(JR Automation)などが強いプロダクトとロボティクスSIという事業基盤となり、コネクテッド化とデジタルによって、トータルシームレスソリューションを立ち上げ、拡大することが事業戦略の柱となる。
実際にJRオートメーションは、カスタムレンズ製造を手掛けるpeak nano向けに、ロボットシステムと連動するレシピ管理データベースシステムを納入しているが、ロボティクスSIとしてのプロジェクトはJRオートメーションが各ベンダーを取りまとめるポジションにある。
日立グループ全体では環境目標として、2030年度の事業所カーボンニュートラル、2050年度のバリューチェーンを通じたカーボンニュートラルを目指しており、コネクティブインダストリーズセクターではCO2排出ゼロに貢献するプロダクトの投入で貢献していく。また、Lumadaを活用して、日立グローバルライフソリューションズが販売する家電のライフサイクルで資源循環基盤を構築し、再資源化やプラスチック再生などを推進していく方針である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日立の2024中計は成長モードへシフト、Lumada事業で利益の3分の1を稼ぐ
日立製作所が2021年度決算と2022〜2024年度の中期経営計画「2024中期経営計画(2024中計)」を発表。2024中計の財務目標は、売上高が10兆円にとどまるものの、新たな利益指標として取り入れるAdjusted EBITA率で2021年度の8.3%から12%に伸ばすなど利益率を大幅に伸ばしていく計画である。 - データで「何」を照らすのか、デジタル変革の“際”を攻める日立の勝算
産業用IoTの先行企業として注目を集めてきた日立製作所。同社が考えるデジタル変革の勝ち筋とはどういうものなのだろうか。インダストリーセクターを担当する、日立製作所 代表執行役 執行役副社長 青木優和氏に話を聞いた。 - 日立のインダストリーセクターは北米事業を核に成長、次期中計で売上高1兆円超へ
日立製作所が「Hitachi Investor Day 2021」をオンラインで開催。インダストリーセクターを統括する同社の青木優和氏が登壇し、中期経営計画の進捗状況や、傘下に収めたJRオートメーションやサルエアーなど北米事業の業績を報告するともに、次期中計で売上高1兆円超、調整後営業利益率で10%超を目指すことを明らかにした。 - 新CEOはユーザー企業出身、日立の産業・流通BUは「際」を乗り越えられるか
デジタルソリューション群「Lumada」が好調な日立製作所だが、製造業に向けたLumadaの事業展開と最も関わりが深いのがインダストリーセクター傘下の産業・流通BUである。この産業・流通BUのCEOに就任した森田和信氏に、今後の事業展開の構想などについて聞いた。 - 日立がロボットSI事業強化に向けさらなる一手、Kyoto Roboticsを買収
日立製作所とロボットベンチャーのKyoto Roboticsは、2021年4月1日付で日立がKyoto Roboticsの全発行済株式総数の約96%を取得し、子会社化したことを発表した。 - デジタルツインでサプライチェーンをシームレスにつなぐ、商機は“際”にあり
「Hitachi Social Innovation Forum 2019 TOKYO」のセミナーに日立製作所 インダストリー事業統括本部 CSOの森田和信氏が登壇。『デジタルで「際」の課題を解決するトータルシームレスソリューション〜ロボティクスSIによる4Mデータ活用のさらなる高度化〜』をテーマに講演を行った。