患者自らが装着できる、着衣型3誘導心電計測システムを共同開発:医療機器ニュース
慶應義塾大学病院とXenomaは、患者自らが装着できる、着衣型3誘導心電計測システム「e-skin ECG」を共同開発した。また、2022年3月1日より、同システムにおける着衣型ホルター心電計「e-skin ECG データレコーダ」の保険適用が開始された。
慶應義塾大学病院とXenomaは2022年4月25日、患者自らが装着できる着衣型3誘導心電計測システム「e-skin ECG」を共同開発したと発表した。同システムにおける着衣型ホルター心電計「e-skin ECG データレコーダ」の保険適用は、同年3月1日より開始されている。
共同開発したシステムでは、患者は着用した「e-skin ECG 計測用シャツ」にe-skin ECG データレコーダを装着して3誘導(3つの心電図波形)を測定する。計測用シャツにはあらかじめ電極位置が正確に設定されており、専門知識のない患者でも着用するだけで計測できる。
装着、取り外しに医療従事者の関与が必要ないため、郵送による検査が可能になる。受診者はXenomaから送られてきた検査キットを用いて心電図検査を実施した後、検査キットを同社に返送。Xenomaは心電データの解析結果を医療機関に提出し、解析結果を基に医師が診断する。
従来のホルター心電計を用いた検査は、2誘導で24時間の計測が一般的だ。この検査では、検査開始時と終了時に検査機器を着脱するために来院する必要があるほか、ケーブルや記録機により動作が制限されるため、患者が受診を避ける要因になっていた。
慶應義塾大学病院とXenomaは、2019年7月に着衣型3誘導心電計測システムの共同研究を開始した。2020年にe-skin ECG 計測用シャツのデザインを意匠登録し、2022年1月にe-skin ECG データレコーダに関してクラスII管理医療機器の認証を取得している。同年5月からは、同システムを活用した検査がXenomaから医療機関向けに提供される。
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