BYDが日本向けに電動バス2車種、2030年までに累計販売4000台を目指す:電動化
BYD(比亜迪)の日本法人であるビーワイディージャパンは2022年5月10日、日本市場向けに2023年末から納入する電動バスの新モデル2車種を発表した。同日から予約受付を開始した。走行距離はコミュニティーバスなど向けの電動小型バス「J6」が現行モデル比1割増の約220km、路線バス向けの電動大型バスの「K8」で同1割増の約270kmとなる。
BYD(比亜迪)の日本法人であるビーワイディージャパンは2022年5月10日、日本市場向けに2023年末から納入する電動バスの新モデル2車種を発表した。同日から予約受付を開始した。走行距離はコミュニティーバスなど向けの電動小型バス「J6」が現行モデル比1割増の約220km、路線バス向けの電動大型バスの「K8」で同1割増の約270kmとなる。
BYDは2015年に日本に初めて電動バスを導入。小型から大型までの電動バスを展開し、累計64台を納入した。グローバルでの電動バス導入実績は累計7万台に上る。J6の現行モデルは2020年から、K8の現行モデルは2021年から、日本で納車を開始している。生産は中国ではあるが、日本向けモデルは設計に日本人が参加するとともに、デザインも日本で行う。また、日本のサプライヤーの部品も積極的に採用している。J6、K8の新モデルも同様だ。
電動バスは、ディーゼルバスと比べてCO2排出を最大4割削減することができ、カーボンニュートラルの達成に貢献するとしている。エネルギーコストも30〜40%削減できるという。需要拡大を見込み、2030年までに電動バスの累計販売台数4000台を目指す。なお、日本で乗用車の導入予定はない。
J6とK8の新モデルは、最新型のリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)を採用する。バッテリーセル自体をバッテリーパックの構造部品とすることでモジュール化を省略し、より多くのバッテリーセルをバッテリーパックに収められるようにした。これにより、LFPの課題だったエネルギー密度を向上させた。バッテリーパックの空間利用率は従来比で50%改善したとしている。さらに、保証期間が5年または40万kmから、8年または40万kmに拡大した。蓄電池として活用するための大出力での放電にも対応している。
最新バッテリーの採用により、搭載するバッテリー容量はJ6で105.6kWhから2割増の125.7kWhに、K8では287kWhから1割増の314kWhに拡大した。これに伴い、満充電からの走行距離も現行モデルより拡大した。J6は乗車定員が現行モデルから5人増える。
BYDは47都道府県でメンテナンスに対応しており、国内4カ所の拠点から日本全国に48時間以内に部品を供給できる体制をとっている。また、羽田空港の制限区域内で、レベル3の自動運転に対応した電動バスの試験運用などにも取り組んでいる。
中国 深センでは、電動バス1万6000台、タクシー向けEV(電気自動車)2万2000台、大型トラック4000台などの販売実績があるが、日本では電動バスに特化してビジネスを展開する方針だ。
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