軽量化と高剛性を両立した高速、高精度ロボット3種を発売:産業用ロボット
不二越は、高速かつ高精度な小型ロボット「MZ F」シリーズを市場投入する。最大可搬重量7kgの「MZ07F」「MZ07LF」、同10kgの「MZ10LF」の3種を用意し、電機、電子部品の小型化による、高精度化のニーズに対応する。
不二越は2022年3月30日、高速かつ高精度な小型ロボット「MZ F」シリーズの市場投入を発表した。最大可搬重量7kgの「MZ07F」「MZ07LF」、同10kgの「MZ10LF」の3種を用意し、価格はいずれもオープン。電機、電子部品の小型化による、高精度化のニーズに対応する。
MZ Fシリーズは、軽量化と高剛性を両立し、高速かつ高精度な動作に対応する。内部構造を最適化したMZ07Fは、加速と減速性能を大幅に強化。従来品に比べ、連続動作時のタクトタイムを最大43%短縮した。
3機種とも、各種アプリケーションで必要となる配線、配管を標準で搭載する。中空構造を採用したことで、ロボット本体外側の配線と配管の引き回しを必要とせず、利便性が向上した。周辺との干渉リスクも低減する。
最大リーチは、MZ07Fが723mm、MZ07LFが912mm、MZ10LFが1202mm。位置繰り返し精度は、それぞれ±0.015mm、±0.02mm、±0.025mmとなる。同一クラスでトップレベルの作業領域と手首トルクにより、ローディングや部品の組み立て、搬送など、幅広い用途で使用できる。
標準でIP67相当の防塵防滴機能を装備し、粉塵、水滴が飛散する環境にも対応。また、標準でClass4を達成(ISO14644-1規格)するクリーン度により、高い清浄度が求められる電気、電子分野向けに対応する。
特にMZ10LFは、本体重量55kg、設置面積200×204?とスリムかつ軽量ながら、可搬重量7Kg以上でより大きな動作範囲が求められる生産現場に適する。フレーム干渉半径はR160?で、工作機械への部品供給やピッキングなど、さまざまなアプリケーションに対応する。
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