ソニーモビリティが発足、EVの扱いはどうなる?:製造マネジメントニュース
ソニーグループは100%子会社である「ソニーモビリティ株式会社」を設立した。新会社では、モビリティ向けサービスプラットフォームの開発や事業化の他、「aibo」「Airpeak」「SC-1」などの事業を展開し、S.RIDEへのサポートを継続する。これらAIロボティクスビジネスグループが手掛ける事業を2022年9月をめどにソニーモビリティに移管する予定だ。
ソニーグループは2022年4月1日、100%子会社である「ソニーモビリティ株式会社」を設立したと発表した。
ソニーモビリティの資本金は1億円。本社所在地はソニーグループ本社と同じ東京都港区に置く。代表取締役社長 兼 CEOには、ソニーグループでAIロボティクスビジネスグループを率いる川西泉氏が就任する。取締役会長は、ソニーグループ 代表執行役会長兼社長 CEOの吉田憲一郎氏が、取締役はソニーグループ 代表執行役 副社長兼CFOの十時裕樹氏が務める。
ソニーモビリティでは、モビリティの進化への貢献に向けたモビリティ向けサービスプラットフォームの開発や事業化の他、自律型エンターテインメントロボット「aibo」、プロフェッショナル向けドローン「Airpeak」、Sociable Cart(ソーシャブルカート)「SC-1」などの事業も展開する予定。AI(人工知能)やセンシング技術を活用し安心・安全な移動の実現のため、タクシー会社各社と設立したS.RIDEへのサポートも継続する。これらの活動に加え、新たなAIロボティクス商品やサービスの創出に向けた研究開発、事業化への取り組みも推進する。
これらの事業は、ソニーグループのAIロボティクスビジネスグループが手掛けており、2022年9月をめどにソニーモビリティへの移管を進めていく計画である。
ソニーグループは2022年1月の消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2022」でソニーモビリティを同年春に設立することを発表している。その際には、ソニーモビリティを通じて「EV(電気自動車)の市場投入を本格的に検討していく」としていた。ここで言うEVは、コンセプトカーとして公開してきた「VISION-S」を指す。
その後、ホンダとソニーグループは2022年3月、EV(電気自動車)の共同開発や販売、モビリティサービスの提供に取り組む共同出資会社を2022年内に設立することを発表している。今回のソニーモビリティの設立では、「モビリティの進化への貢献に向けたモビリティ向けサービスプラットフォームの開発、事業化」(ニュースリリースより抜粋)は挙げられているものの、VISION-SやEVを扱うことについては明記していない。
このことから、EVの共同開発や販売はホンダとソニーグループの共同出資会社で進め、モビリティサービスについては、ソニーモビリティが共同出資会社に協力する形で進める可能性もありそうだ。
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