大型商品にも対応、経済性と性能を両立したAutoStoreの新型物流ロボット:物流のスマート化
AutoStoreは2022年3月22日、同社の自動物流システム「オートストア」で稼働するロボットの新型モデルとして「R5+」を発表した。併せて、垂直型リフトを備えたピッキングスペース「Bin Lift 2.0」もリリースする。
AutoStoreは2022年3月22日、同社の自動物流システム「オートストア」で稼働するロボットの新型モデルとして「R5+」を発表した。併せて、垂直型リフトを備えたピッキングスペース「Bin Lift 2.0」もリリースする。
ビンの最大サイズの425mmサイズに対応
AutoStoreはロボットを活用した物流倉庫システムを展開するノルウェーのスタートアップである。システムは格子状のロボット走行用レール「グリッド」と、その内部に製品を格納するコンテナ「ビン」、ビンをピックアップして外部のピッキング用スペース(ポート)に搬送するロボットなどで構成される。
R5+はAutoStoreが展開するロボットでは最も使用社数の多い「R5」と同じ技術を採用しているが、220mmと330mm、425mmの全サイズのビンに対応できる仕組みを採用した点が大きな特徴である。従来、425mmサイズのビンは、同社が“プレミアム”と位置付けるロボット「B1」のみが対応していた。B1はスリムなデザインで、1日24時間週7日の稼働にも耐え得る機体で、高いスループットが求められる環境でも活躍可能である。
ただ、B1に比べて機体価格の面ではR5の方が導入しやすかった。このため、R5+ではB1に比べてより入手しやすい価格で提供を行う予定という。
AutoStore チーフプロダクトオフィサーのカルロス・フェルナンデス氏は「特に扱う品目数が多い顧客や、将来的な商品の需要増加に対応したいといった顧客向けに展開する。例えば、アパレル製品では靴や衣類など、梱包する外装が大型化しやすい商品がある。R5+はこうした商品群を、経済的なコストを抑えつつ管理できるようにする」と語った。R5+は半導体の構成部品や製造業の保守部品の管理などにも適用できる可能性がある。
静音性高めたポートも発表
R5+と同時に発表したBin Lift 2.0は、積み上げたグリッドとポートを階層をずらして設置する多層階倉庫を運用する顧客に最適なソリューションとなっている。多層型倉庫は倉庫内スペースの空間全体を有効に活用できるようになり、既存の倉庫レイアウトに合わせたグリッドの柔軟な構築が可能になる。これまでAutoStoreはBin Liftシリーズを欧州でのみ提供してきたが、日本国内でも提供開始する。
従来機(Bin Lift 1.11)からの大きな改善点としては、モーターや電子機器の性能改善によるパフォーマンス向上と、新しいモーターやギアの採用による静音性の確保が挙げられる。騒音レベルを従来機の約10分の1に低減することで、ポートにいるオペレーターが受ける負荷を軽減する効果が期待できるという。
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