この記事は、2022年3月22日発行の「製造マネジメント メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
筆者は現在、製造マネジメントフォーラムを担当していますが、時には他フォーラムの記事を執筆することもあります。先日、FA(ファクトリーオートメーション)フォーラムに掲載した、米国発スタートアップRealWearの日本法人(RealWear Japan)の取材記事もその1つです。同社は製造業や建設業などを対象とした産業用スマートグラスを展開する企業で、欧米では同製品市場で大きなシェアを獲得しています。
現在、製造業では生産効率の改善やレジリエンス向上の必要性が叫ばれ、そのために、従来の同業界で支配的だった「現場・現物・現実」の三現主義を打破しなければならないという指摘が多く出ています。そこで、遠隔作業支援を実現する産業用スマートグラスが果たす役割は決して小さくないと思われます。
ただ、現在、国内製造業で同デバイスが爆発的な普及を遂げている、とはまだ言えない状況です。RealWear Japan 代表取締役社長の伊藤信氏も、2018年の設立当時は、メーカーに提案しても導入を見送られてしまうケースが少なくなかったと振り返ります。ただ、あるアプリケーションの存在が状況を変えたようです。それがマイクロソフトが提供するWeb会議ツール「Teams」でした。
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