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ウェアラブルデバイスが変革する生産現場・保守現場の未来像DMS2014リポート【ウェアラブルデバイス編】(1/2 ページ)

「第25回 設計・製造ソリューション展(DMS2014)」では、ウェアラブルデバイスの活用により生産や保守の“現場”を革新するさまざまなソリューションが出展された。「現場×ウェアラブル」で何が起ころうとしているのか。

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ウェアラブル

 「第25回 設計・製造ソリューション展(DMS2014)」(東京ビッグサイト、2014年6月25〜27日)では、生産現場や保守現場を改善するデバイスとして、多くのウェアラブルデバイスによるソリューションが提案された(一部は「3D&バーチャル リアリティ展(IVR)2014」での出展)。各社が出展した端末やソリューションを紹介するとともに、なぜ製造現場や保守現場でウェアラブルデバイスへの関心が急速に高まっているのか考察する。



新開発のウェアラブルデバイスを出展したセイコーエプソン

 セイコーエプソンは2014年6月30日発売のメガネ型のウェアラブルデバイス「MOVERIO(モベリオ)」新製品を出展。認知拡大を目指すとともに、設備保全や生産現場など、業務用途での利用を訴えた。

セイコーエプソン
セイコーエプソンのモベリオ新製品を装着した馬場氏

 新製品「BT-200AV」と「BT-200」は、シースルーグラスを採用したメガネ型情報端末で、グラスを通して見える風景の中に映像を浮かび上がらせて見ることができることが特徴だ。重さは約88gでIEEE802.11b/g/n対応無線LANとBluetooth V3.0を内蔵。OSにはAndroidを採用し、内蔵された、GPS、地磁気センサー、加速度センサー、ジャイロセンサーなど各種センサーに対応するAndroidアプリを開発することでさまざまなソリューションが生み出せることが特徴となっている(関連記事:拡張現実をメガネ感覚で――シースルータイプのヘッドマウントディスプレイ「MOVERIO BT-200」)。端末単体の価格は6万円台としており、Miracastアダプターと合わせると8万円台だという。

 メガネ型ウェアラブルデバイスといえば米国Googleの「Google Glass」が注目を浴び、既に業務用途などでの活用なども検討されている(関連記事:Google Glassで飛行機を整備、JALとNRIがウェアラブルデバイス活用の実証実験)が、同社では「両目ではっきり見ることができ、AR(拡張現実感)の表示なども実在のものに精度高く重ねて表示できる点が特徴だ」(セイコーエプソン ビジュアルプロダクツ事業部 HMD事業推進部 エキスパート 馬場宏行氏)としている。

 同製品はBtoCを対象としているが2014年1月28日の発表以降、BtoBでもさまざまな引き合いが強まっているという。馬場氏は「業務用途での反応は想定していた以上に良い。具体的には物流企業の倉庫でのピッキング支援、製造業における保守業務の支援、土木や建築業の現場作業支援、病院における手術支援などで、実証実験などを含めた引き合いがある」と述べている。

 ブースでは具体的に三菱電機との協力で行った、エアコン室外機のメンテナンスの実証実験の内容を紹介。モベリオに表示されるマーカーを室外機に合わせると、作業の内容がモベリオ上に表示。コントローラーをタップするごとに次工程が表示されるので、モベリオで見た映像の通りに作業を進めることで、保守・修理作業が行えるというものだ。その他、モベリオのカメラにより、現場の状況を遠隔地から把握し、現場作業員に遠隔から指示を与えるというデモを新日鉄住金ソリューションズとの協力で行った。

 馬場氏は「業務用での引き合いにより、今後さらに堅牢性や映像品質を高めた業務用モデルの投入なども検討していく」と話している。

HMDで塗装訓練などのソリューションを提案した旭エレクトロニクス

塗装トレーニングの様子
画面
(上)はHMDによる塗装トレーニングの様子。作業者は(下)のように見えている

 保温・保冷、パイプライニング、計装の総合サービスソリューションなどを展開する旭エレクトロニクスでは、キヤノンのMRシステム「MREAL」を用いた、塗装トレーニングソリューションを出展した(関連記事:キヤノンのMR技術が生み出すコミュニケーションの力とは?)。

 キヤノンが開発したMREALは、「ヘッドマウントディスプレイ HM-A1」と基本ソフトウェア「MRプラットフォーム MP-100H」を中心に構成。独自の光学技術と高精度な位置合わせ技術を活用したヘッドマウントディスプレイ(HMD)と、センサーによる位置認識技術などを組み合わせ、移動などを自由に行いながら現実と仮想を組み合わせた世界を自由視点で見ることができる点が特徴だ。

 旭エレクトロニクスでは、以前から塗装トレーニングの関連ソリューションを提案。大画面3Dディスプレイと組み合わせたシステムなどを提供していたが、ユーザーから「のぞきこむような動きをした時の、現実の感覚とのズレが気になる」などの指摘を受け、新たなデバイスを模索していたという。そこで、移動しながらでも利用が可能なキヤノンのMREALを活用し、より現実感のある形の塗装トレーニングシステムに仕上げたという。

 旭エレクトロニクス ビジュアルシステム事業部マネージャー 村田泰三氏は「反応はまずまず。移動した時でも移動時の視座でモノを見られるということは評価を受けている」と語っている。

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