女性管理職比率「3%未満」の企業が最多:キャリアニュース
パーソルホールディングスが「男女の働き方とキャリア意向」に関する実態調査の結果を発表した。企業の女性管理職比率は「3%未満」が29.0%で最多。また、「3%未満」の企業は「テレワーク」や「時短勤務」などの導入率が全体平均より低かった。
総合人材サービスのパーソルホールディングスは2022年3月4日、「男女の働き方とキャリア意向」に関する実態調査の結果を発表した。同調査の対象は、25〜69歳の男女会社員(一般社員、管理職、経営者・役員)1000人。男性管理職、女性管理職、男性一般職、女性一般職の4区分で分析した。
初めに、働き方の変化と今後の継続意向を調べたところ、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、働き方に「変化あり」と回答した割合が最も高かったのは女性管理職で、75.0%を占めた。また、そのうち59.4%が「これからも変化後の働き方を継続したい」と回答した。他の属性と比較して割合が高くなっている。
次に、新型コロナウイルス感染症が拡大してからの残業時間の変化を調べた。その結果、女性管理職は「増えた」が33.3%、「減った」が18.8%となり、「増えた」が14.5ポイント上回った。一方、男性管理職を見ると、「増えた」が12.6%、「減った」が31.2%で、「減った」が18.6ポイント高くなっている。
続いて、キャリアアップについての考えを尋ねたところ、男女ともに管理職の方が「(キャリアアップをしたいと)考えている」の回答割合が高かった。特に女性管理職は「考えている」が64.6%で、他の属性よりも高かった。
「考えている」をより詳しく見ると、「自社内でのキャリアアップを考えている」は男性管理職の方が高く(男性:35.9%、女性32.3%)、「転職など他社でのキャリアアップを考えている」は女性管理職の方が高かった(男性:19.3%、女性:32.3%)
キャリアアップを「考えている」人のうち、そのための「取り組みをしている」と回答した355人に取り組みの理由を尋ねた。その結果、1位は男女、役職を問わず「自身のスキルアップのため」だった。2位は男女一般職が「給料アップのため」、男女管理職が「業務の幅を広げるため」となっている。3位は男女一般職が「業務の幅を広げるため」、男性管理職が「給料アップのため」となった。女性管理職は他の属性と異なり、「昇進のため」が3位となっている。
女性管理職比率「30%未満」の企業が約7割
回答者の勤務先について、女性管理職の比率を尋ねたところ、「3%未満」が29.0%で最も多かった。次いで「10%〜19%」(16.9%)、「3%〜9%」(15.3%)となっている。「20%〜29%」の9.0%も含めると、「30%未満」の会社が70.2%を占めている。「30%以上」の会社は合わせて8.5%にとどまった。
女性管理職比率別に、現在取り入れている働き方を見ると、女性管理職比率が「3%未満」の会社は、「テレワーク」や「時短勤務・短時間勤務」「長時間労働の是正の対策」の導入が全体平均より低い傾向があった。
また、同じく女性管理職比率別に、生産性についての感じ方を調べた。「所属している組織・チームは生産性が高いと感じるか」という質問に対し、女性管理職比率が「3%未満」の組織は、「高いと思う」が18.3%で、「高くないと思う」が33.1%だった。「どちらともいえない」を除いて、「高くないと思う」が「高いと思う」を上回ったのは、女性管理職比率が「3%未満」の組織だけだった。
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