ニュース
デクセリアルズが京都セミコンダクターを買収、微細加工と半導体設計の技術を融合:組み込み開発ニュース
デクセリアルズは、日本政策投資銀行と共同で京都セミコンダクターの株式を取得し、子会社化することを発表した。京都セミコンダクターの半導体設計技術を生かし、高速通信やセンシング市場において新技術、新製品を共同開発する。
デクセリアルズは2022年2月17日、日本政策投資銀行(DBJ)と共同で京都セミコンダクターの株式を取得し、子会社化することを発表した。
デクセリアルズは、エレクトロニクス機器や自動車向けの材料、技術、デバイスの開発、製造、販売を手掛ける。京都セミコンダクターは、受発光半導体デバイス、複合半導体デバイスおよびモジュールの開発、製造、販売を中心とし、光通信デバイスやセンシングデバイスなど多岐にわたるIoT(モノのインターネット)分野でカスタマイズ技術を活用した製品を提供してきた。
デクセリアルズが有する微細加工技術と、京都セミコンダクターの半導体設計技術を組み合わせることで、今後成長が見込まれる高速通信やセンシング市場において新技術、新製品を共同開発し、シナジー効果の創出を狙う。
デクセリアルズは、売主のアイ・シグマ事業支援ファンド2号投資事業有限責任組合との間で、京都セミコンダクターの全株式の取得に関する株式譲渡契約書を締結。合わせて、株式譲渡実行日付(2022年3月24日)で取得予定の株式の一部を、DBJへ譲渡する株式譲渡契約書および株主間契約書を締結した。譲渡後はデクセリアルズが81.1%、DBJが18.9%の株式を保有する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- デジタル出力非対応の旧型半導体製造装置、京セミが取り組んだIoT化の道のり
京都セミコンダクターはIoT化プロジェクト「スマートFAB」を推進中だ。同社はRaspberry Piなどの各種センサーを用いて、25年以上前から使用を続けるプラズマCVD装置などをIoT化した。これにより各種装置の稼働状況やクリーンルームの環境情報に基づいた早期の異常検知を実現している。 - 25年以上前の旧式半導体製造装置をIoT化、「5年で約15億円」の効果を期待
京都セミコンダクターは2020年12月10日、半導体の薄膜形成に必要なプラズマCVD装置などをIoT化する「スマートFAB」の取り組みを同年12月4日から開始した。同装置は25年以上前から使用している機器で、IoT化によって稼働状況を監視することなどで延命化し、装置買い替えのコストなどを削減する。 - NVIDIAが買収断念したArm、新CEOの下で「半導体業界史上最大の上場」へ
NVIDIAとソフトバンクグループ(SBG)は、NVIDIAがSBGからArmの株式を取得する契約を解消したと発表。両社は取引完了に向けて取り組みを進めてきたが「これを阻む規制上の大きな課題があった」ため契約の解消に至ったという。併せてSBGは、2022年度中を目標とするArmの株式上場の準備に入ることを明らかにした。 - ルネサスがCeleno Communicationsを359億円で買収、Wi-Fi技術を拡充
ルネサス エレクトロニクスは、Celeno Communicationsを総額約3億1500万ドルで買収する合併契約を締結した。買収により、Celeno CommunicationsのWi-Fi技術や関連ソフトウェアを取得し、コネクティビティアプリケーションの製品群を拡充する。 - 次世代CT装置開発を目指す、キヤノンが半導体検出器モジュールメーカーを買収
キヤノンは2021年9月9日、テルル化亜鉛カドミウム(CZT)半導体検出器モジュールの製造、開発に強みを持つカナダのレドレン・テクノロジーズの株式を取得し、完全子会社化すると発表した。 - ルネサスが7330億円でIDTを買収「決して高くない」
ルネサス エレクトロニクスは2018年9月11日、東京都内で記者会見を開き、米国の中堅半導体メーカーであるIntegrated Device Technology(以下、IDT)を買収する最終契約を締結したと発表した。買収額は67億ドル(約7330億円)で2019年上期中の買収完了を予定している。新株発行を伴う資金調達は行わず、手元資金と主要取引銀行からの借り入れでまかなった。