ドライビングシミュレーター向けAIが世界トッププレイヤーに勝利:人工知能ニュース
ソニーAIは、ポリフォニー・デジタル、ソニー・インタラクティブエンタテインメントと共に、AIエージェント「グランツーリスモ・ソフィー」を開発した。「グランツーリスモSPORT」の世界トッププレイヤーと競い合える高度な能力を習得している。
ソニーAIは2022年2月10日、ポリフォニー・デジタル(PDI)およびソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)と共同で、自律型AI(人工知能)エージェント「グランツーリスモ・ソフィー(GTソフィー)」を開発したと発表した。
GTソフィーは、プレイステーション4用リアルドライビングシミュレーター「グランツーリスモSPORT」向けのAIエージェントだ。新たな深層強化学習アプローチとプラットフォームでトレーニングすることにより、世界トップレベルのプレイヤーたちと競える能力を習得した。
高度なレースコースを精密な操作で走行する制御力を有するほか、レース状況を瞬時に判断して、攻守両面から戦術を組み立てる。自らのミスによる衝突を避けたり、対戦相手の走行ラインを尊重するなど、レースマナーについても習得している。
2021年7月に開催された「Race Together 2021チャレンジイベント」では、GTソフィーの機能をテストするためレースを実施した。その結果を基にGTソフィーを改善し、同年10月開催の同イベントで再戦したところ、FIA(国際自動車連盟)公認の「FIA グランツーリスモ チャンピオンシップ」の規定に則ったレースとタイムトライアルの両方で、GTソフィーはグランツーリスモSPORTのトップドライバー4人に勝利した。
精密でリアルなカーレーシングシミュレーター、グランツーリスモSPORTにおいて、GTソフィーがトップドライバーと競い合えるほど高度な能力を習得したことは、AIのめざましい進歩を示す。ソニーAIとPDIは、新たなゲーム体験の提供に向けて、GTソフィーをどのようにグランツーリスモシリーズに活用するか検討していく。
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