ソニーとMSのAIラボで老舗食堂発ベンチャーが開発、商品棚監視ソリューション:スマートリテール
EBILABは2022年1月6日、ソニーセミコンダクタソリューションズと日本マイクロソフトが設立した「共同イノベーションラボ」のサポートを受けて、「小売業向け棚監視ソリューション」を開発したと発表した。
EBILABは2022年1月6日、ソニーセミコンダクタソリューションズと日本マイクロソフトが設立した「共同イノベーションラボ」のサポートを受けて、「小売業向け棚監視ソリューション」を開発したと発表した。AIカメラによって棚の欠品状況を確認し、商品補充作業を円滑化する。
ソニーとマイクロソフトが共同で設立したラボ
共同イノベーションラボは、AIカメラと映像解析を用いたソリューション構築に向けて協業するソニーセミコンダクタソリューションズと日本マイクロソフトが、AIカメラを活用したソリューション開発に関する技術トレーニングの提供を目的に開設した。米国、中国、ドイツ、日本の世界4カ所に拠点を持ち、EBILABの他、5社のパートナー企業が参画している。
同ラボでは、Microsoft Azure上のAIサービス「Azure Cognitive Services」や、ソニーセミコンダクターソリューションズのインテリジェントビジョンセンサー「IMX500」、エッジAIセンシングプラットフォーム「AITRIOS」が提供する、開発環境やクラウドサービスなどを使った技術トレーニング、技術検証が行える。両社の技術エンジニアが在籍する他、ラボでの取り組みに必要なリソースも提供する。
ゑびや商店で運用試験
今回、EBILABが開発した小売業向け棚監視ソリューションは、共同イノベーションラボのサポートを受けて参画パートナーが開発した初めてのソリューションだ。IMX500が棚に陳列された商品の欠品を確認すると、Microsoft Teamsと連携したウェアラブル端末に通知がなされる。これによって、円滑な商品補充を支援するという仕組みである。
EBILABはIMX500を「『ローパワー&コストフレンドリー』『低レイテンシ』『最適化された処理』という特性を持ちながら、既存製品に比べて小型で、環境になじみやすい」(プレスリリースより)と評価する。IMX500で分析したデータはビジネスインテリジェンスツールである「Microsoft Power BI」でビジュアライズして確認できるという。
また、EBILABでは小売業向け棚監視ソリューションの有効性を確かめることを目的とした動作検証を、ゑびやが運営する「ゑびや商店」で2021年11月1日〜2022年2月28日の期間に実施している。同ソリューションによって、これまで人間が感知できなかった状況を把握できるようにして、店舗オペレーションの改善に生かす。棚に陳列された商品の欠品確認や在庫の管理業務を自動化することで、店舗従業員が接客に専念しやすい環境を作る。商品補充や陳列の最適化によって販売機会の損失も最小化して、売り上げ増加を目指す。
動作検証を通じてソリューションの有効性が実証されれば、同ソリューションの導入から運用をサポートするパッケージプランを商品化し、小売店向けに販売する計画だ。
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