検知範囲を7倍に、自動走行地図作成も可能なパナの業務用ロボット掃除機:ロボット開発ニュース(2/2 ページ)
パナソニックは2022年2月22日、同年3月から同社が量産化予定の業務用ロボット掃除機「RULO Pro MC-GRS2M」の説明会を開催した。センサーレーダーの検知範囲を拡大した他、自動走行地図作成機能を持たせた。
広いスペースでも使用可能に
MC-GRS2Mでは初号機からの大きな変更点が2つある。1つはLRF(レーザーレンジファインダー)の最大検知範囲を約7倍に拡大した点だ。これまで片側約3.5mだった検知範囲を同25mにまで拡大した。これによって、エントランスホールや大きな会議室など、広いスペースでも使用できる。
もう1つが、自動で地図作成を行う機能を持たせた点だ。MC-GRS1Mではあらかじめ作業者が走行範囲の地図を作成、登録する必要があったが、MC-GRS2Mではこの手間を省き、ロボット本体が走行範囲をスキャンして地図を自動生成する仕組みになった。専用のエリア指定シートを置くことで、「進入禁止エリア」や「障害物回避エリア」を指定することも可能だ。
この他にも、掃除開始時間を指定するタイマー機能や、走行中に異常があった場合にアラートをリアルタイム通知する機能なども搭載している。ダストボックスや回転ブラシは抗菌仕様のため、衛生面での安心感もあるという。
パナソニックでは、清掃業界における人手不足などを背景に、業務用ロボット掃除機は2024年までに約150億円規模の市場に成長すると見込む。今後の技術開発について、同社 くらし事業本部 くらしアプライアンス社 ランドリー・クリーナー事業部 クリーナー事業 クリーナー技術部 部長の渡部健二氏は、「特に自動走行地図作成機能については、レーザーを使うという仕様上、ガラスなどに適用しにくい面がある。現時点では人の手でサポートする必要があるが、今後はこうした面も自動化できるようにしていきたい」と語った。
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