パナソニックのSLAM搭載ロボット掃除機、新型コロナウイルスの影響で発売延期:ロボット開発ニュース
パナソニックは、レーザーセンサーによる空間認識技術「レーザーSLAM」を搭載したロボット掃除機「RULO」を発表した。従来のカメラSLAM搭載掃除機と比較して、間取りと地図の一致率や集じん力などの掃除完遂性能が大幅に向上している。
パナソニックは2020年2月10日、レーザーセンサーによる空間認識技術「レーザーSLAM」を搭載したロボット掃除機「RULO(品番:MC-RSF1000)」を発表した。価格はオープンで、月産台数は1000台。なお、当初の発売予定は同年3月下旬だったが、新型コロナウイルス感染が拡大する中でサプライヤーからの部材供給遅延などにより4月20日に延期している。
同社は2017年12月に千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)との連携を発表。その後、世界最高レベルのSLAM技術を含む「fuRo Technology」を搭載したコンセプトモデルを開発しており、このコンセプトモデルをベースに商品化したのが今回のレーザーSLAMを搭載したRULOになる。
レーザーSLAMを備えるRULOは、1秒間に10回転し、360度全方位で半径8m内を照射する。間取りや動くもの、床に置かれたものなど部屋の環境を認識、学習し、高精度の地図を構築して自己位置を認識できる。
認識後はエリアを分割して掃除プランを立て、エリアごとにラウンド走行やルート走行をして清掃する。従来のカメラSLAMとの比較では、間取りと地図の一致率や集じん力などの掃除完遂性能が大幅に向上した。
また、アクティブリフト機能を搭載しており、段差やラグといった障害物があった場合はフロント3Dセンサーが検知し、タイヤユニットを自動で押し出して本体を持ち上げ走行する。25mmまでの段差は乗り越え可能だ。
音声による操作も可能で、専用アプリケーション「RULOナビ」と、Googleアシスタント搭載のスマートスピーカー、スマートディスプレイに対応する。さらに、レーザーセンサーで人の足の動きを認識し、一定の距離を保ちながら追従する「otomo(おとも)」機能を搭載。掃除してほしい場所で人が静止するとスポット掃除をし、自動で充電台に戻る。
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