ニュース
歯車加工の全プロセスを集約、小型で高精度のスカイビングギヤシェープセンタ:工作機械
不二越は、歯車加工の全プロセスを1台に集約した、スカイビングギヤシェープセンタ「GMS100」を発売した。独自の精密同期制御を採用した、高精度、高能率の小型複合加工機となる。
不二越は2022年2月1日、歯車加工の全プロセスを1台に集約した、スカイビングギヤシェープセンタ「GMS100」を発売した。小型ながら高精度、高能率の複合加工機で、価格はオープン。
GMS100は、独自の精密同期制御を採用する。スカイビングに加え、ホブ、旋削、穴開けなど、歯車部品加工の全プロセスを集約しており、ワンチャッキングでの加工に対応する。ワークのつかみ替え、搬送、段取り替え工程を削減するほか、熱処理後のハード加工も可能だ。
また、新たに開発した高トルクスピンドルを搭載。工具ホルダーには、複合加工機に適したCaptoを採用している。歯車精度は、JIS N5級以上を確保。送り軸の高速オシレーション制御により、旋削、穴あけ工程で高能率な加工を可能にした。
全プロセスを集約したことから、旋盤、穴あけ加工機、歯切り加工機など複数の機械でラインを構成する場合に比べて、設置面積を54%削減する。高剛性の機体と多軸同時制御機能により、インペラ、タービンブレード、ねじローター、人工関節など自由曲面の高精度加工にも適用できる。
自動工具交換装置の工具収納本数は、6本と22本を用意する。機械サイズは2425×3320×1650mm。対象ワークの外径はφ3〜100mm、対象モジュールはm0.25〜m1.10となる。電機や電子、EV、減速機、医療機器関連での利用を見込む。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 進む製造機械の「知能化」、学習済みAIを搭載する動きが拡大へ
AI(人工知能)の活用が広がりを見せている。こうした中で、新たな動きとして定着が進んでいるのが、工作機械や射出成形機など、製造機械へのAI機能の組み込みである。2022年はこうした動きがさらに加速し、AIの学習までを機械メーカーが担って出荷する動きが進む見込みだ。 - 進む産業機械のスマートフォン化、標準化とオープン化がカギに
スマート工場化が進む中、工場内の生産機械や設備にも生産情報や設備情報などを活用するために「つながる」ことが求められるようになってきている。こうした環境に合わせる形で、生産機械についても協調領域については「水平分業型」へのシフトが加速する見込みである。 - 工作機械の共通インタフェース「umati」とは何か?
工作機械のスマート化に向けて注目されている通信規格が「umati」である。本連載では「umati」とはどういう規格なのか、技術的にはどういう背景があるのか、どのような活用シーンがあるのかについて、紹介する。第1回となる今回は「umati」とは何かをテーマに概要を取り上げる。 - 工作機械も4.0へ、シェフラーとDMG森精機が描く「マシンツール4.0」
ドイツのインダストリー4.0が大きな注目を集める中、工作機械にもIoTを積極的に活用する動きが出てきている。軸受部品を展開するシェフラーと、工作機械メーカーのDMG森精機は工作機械のインダストリー4.0対応を目指す「マシンツール4.0」プロジェクトを推進している。 - アップルVSサムスン訴訟を終わらせた日本の工作機械の力
知財専門家がアップルとサムスン電子のスマートフォンに関する知財訴訟の内容を振り返り「争う根幹に何があったのか」を探る本連載。最終回となる今回は、最終的な訴訟取り下げの遠因となった「新興国への技術移転」の問題と「なぜ米国で訴訟取り下げを行わなかったのか」という点について解説します。 - ファナックや安川電機など産業用ロボットメーカー6社が連携し共同研究開始
川崎重工業、デンソー、ファナック、不二越、三菱電機、安川電機の6社は2020年8月7日、産学連携により産業用ロボットの基礎技術研究を行う「技術研究組合 産業用ロボット次世代基礎技術研究機構」(略称、ROBOCIP)を設立したと発表した。