金型製作を代行するサービス、3Dモデルがなくても利用可能:メカ設計ニュース
オリジナルマインドは「金型製作代行サービス」の提供開始を発表した。金型を用意できない顧客向けに展開するもので、顧客所有の3Dモデルからアルミ製の金型を製作するコースと、スケッチやマスターモデルから3Dモデルを作成して、金型製作を支援するコースを用意している。
オリジナルマインドは2022年2月4日、「金型製作代行サービス」の提供開始を発表した。
同サービスは、金型を用意できない顧客向けに展開するもので、顧客所有の3Dモデルからアルミ製の金型を製作するコースと、スケッチや現物(マスターモデル)から3Dモデルを作成して、金型製作を支援するコースを用意。金型製作費用(税込み)は12万円〜で、利用するコースや3Dモデルによって価格は異なる。
顧客所有の3Dモデルから金型を製作
顧客が所有する3Dモデルからアルミ製の金型を製作するコースでは、顧客自身で射出成形に適した形状に3Dモデルを修正できる場合は「ベーシックコース」を、自身での形状修正が困難な場合には「アドバンスコース」を選択できる。
ベーシックコースは、顧客から提供された3Dモデルを基に金型を設計し、切削加工でアルミ製の金型を製作するサービスである。製作費用(同)は12万円〜。射出成形に適した形状変更が必要な場合には、顧客自身で3Dモデルの修正を行う。また、切削加工だけでは対応が難しい複雑形状やエッジの立った形状を実現する際は、入れ子や放電加工を用いる(その際、追加で約3万円の製作費がかかる)。
一方のアドバンスコースは、顧客から提供された3Dモデルを射出成形に適した形状に修正した上で、金型の設計、製作を行うサービスである。製作費用(同)は20万円〜。3Dモデルの修正は、同社の提携企業が実施する。抜き勾配や角R、収縮率、成形品の取り出しやすさなどを考慮した修正を手掛ける。これまで3Dプリンタで製造していた部品を射出成形に置き換えるといった場合にも最適なコースであるという。
3Dモデルの作成からでもお任せできる
3Dモデルを持っていない顧客向けには、金型の設計、製作に必要となる3Dモデルの作成を支援する「モデリングコース」と「リバースエンジニアリングコース」を用意する。
モデリングコースは、顧客が所有するスケッチや2Dデータを基に、3Dモデルを作成するサービスで、顧客へのヒアリング内容を踏まえた最適な形状で作成が行われる。スケッチに関しては、方眼紙などを用いて可能な限り詳細なものを用意する必要がある。3Dモデル作成費用(同)は8万円〜。形状確定後、射出成形に適した3Dモデルを作成し、金型の設計、製作が行える。また、3Dモデル/金型の3Dデータを受け取り、顧客自身でCNC加工することも可能である。
リバースエンジニアリングコースは、顧客からマスターモデルを預かり、3Dスキャンしたデータを基に、3Dモデルを作成するサービスである。3Dモデル作成費用(同)は8万円〜。作成した3Dモデルから金型の設計、製作が行える。ハンドクラフト品やクレイモデルをリバースエンジニアリングして射出成形に置き換えたい場合などに最適なコースだという。
なお、同サービスの提携企業には、アルミ製の簡易金型の製作において高い実績を誇るミヨシと、射出成形に適した3Dモデルの設計を得意とするモールドテックの2社が名を連ねる。
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