デンソーがPoC環境を短期実装できる「D-tote」を開発、セットアップは最短1日:車載ソフトウェア
デンソーが製品やサービス開発におけるPoC(概念実証)に必要な環境を短期間で簡易に実装可能にするサービス「D-tote(ディートート)」を開発。2021年度からデンソー社内で利用を進めており、将来的には社外へのサービス提供も見据えている。
デンソーは2022年2月3日、製品やサービス開発におけるPoC(概念実証)に必要な環境を短期間で簡易に実装可能にするサービス「D-tote(ディートート)」を開発したと発表した。2021年度からデンソー社内で利用を進めており、将来的には社外へのサービス提供も見据えている。
D-toteは「部品の全てを手の中に−All of the parts on your hands−」をコンセプトとして、共通利用が可能な基盤をベースに、車載機のレンタル、設置から、車載センサーなどとの接続、クラウドへのデータ送信と集積、プロジェクトへのデータ提供まで、PoCにおけるデータ収集プロセスを一貫して行うサービスである。短時間で簡単に環境をセットアップできるため、ソフトウェアやクラウドに知見のないユーザーでも手軽に利用することができる。時間とコストを費やすことなくデータ収集とその利活用を進めることで、より付加価値の高い製品や、サービスの開発に集中できる環境にシフトするのが狙いだ。
D-toteを用いたPoCのセットアップは最短1日で行える。また、長期間かつ複数車両からのデータ収集が簡単に行えるので実車評価の効率化に貢献する。車載機上のアプリケーションとクラウドの間で双方向通信を行うので、複数台の車載機に対して遠隔から一度でアプリケーションの配布、変更、更新が可能だ。ネットワーク接続で課題になるセキュリティについても、D-tote側で全体の運用管理を行うのでユーザー側でのケアは不要である。
さらに、D-toteにつながる社有車「toteCar(トートカー)」の運用も開始した。車両にあらかじめ搭載されている車載機にセンサーなどを取り付け、車載機のモジュールをアップデートするだけで、社員がtoteCarを利用するたびにデータがクラウドへ集積される。これにより、プロジェクトごとに車両準備や走行試験を実施することなく、効率的にデータを取得することが可能になる。
D-toteは今後、車載機や接続可能なセンサーのラインアップをさらに充実させ、収集したデータの利活用を促進し、集積された過去のデータや知見から新たな製品やサービスの検討ができるようなデータハブとしての役割も目指していく。社外へのサービス提供も見据え、製品やサービス開発の現場のニーズに寄り添い、ユーザーからのフィードバックを受けてアジャイルに機能を拡大するとしている。
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