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デンソー子会社の自動運転ソフト開発企業、GitHubでコードレビュー時間を半減組み込み採用事例

ギットハブ・ジャパンは、デンソーの子会社でアイシン精機、アドヴィックス、ジェイテクトも出資する自動運転の統合制御ソフトウェア開発会社J-QuAD DYNAMICS(J-QuAD)が自動運転ECUを開発するソフトウェア開発プラットフォームとして「GitHub Enterprise Cloud」を採用したと発表した。

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 GitHubの日本法人ギットハブ・ジャパンは2020年5月21日、デンソーの子会社でアイシン精機、アドヴィックス、ジェイテクトも出資する自動運転の統合制御ソフトウェア開発会社J-QuAD DYNAMICS(ジェイクワッド ダイナミクス、以下J-QuAD)が自動運転ECU(電子制御ユニット)を開発するソフトウェア開発プラットフォームとして「GitHub Enterprise Cloud」を採用したと発表した。

 J-QuADは2018年12月、デンソー65%、アイシン25%、アドヴィックス5%、ジェイテクト5%が出資しての設立が発表された。4社が持つ自動運転技術や車両運動制御に関する技術や知見を持ち寄り、大規模かつ複雑な制御ソフトウェアの開発に対応することが目標としている。

 主な開発部門としては、自動運転ECU、車両統合制御技術、車室内カメラを利用してドライバーのコンディションを検出ドライバモニターの3つがある。東京の本社と愛知県刈谷市の支社の他、十数社の社外パートナー企業と開発を進めている。今回の自動運転ECUの開発におけるGitHub Enterprise Cloudの採用は、中長期的な開発環境の統一を視野に入れたものだ。

 J-QuAD 先進安全技術部長の冨板健治氏は「出資会社4社から開発プロジェクトをそのまま持ち寄る形で開発を継続しており、開発環境も基本的には従来のものを踏襲している。ただし、会社全体で1つの目的に向けて連携するためには、同じ開発環境に整える必要があり、中長期的に環境を統一していく議論を進めている。自動運転ECUにGitHub Enterprise Cloudを先行導入したのは、その核になる可能性が極めて大きいと考えたからだ」と語る。

 同社は発足間もない2019年5月にGitHub Enterprise Cloudの導入を決定。その後テスト運用を重ねながら、旧開発環境でのリリース終了と移行を並行して進め、同年7月から正式にプロジェクトでの活用を開始した。導入効果としては、変更通知機能である「Pull Request」の活用によるコードレビュー完了時間の半減、CI/CD(継続的インティグレーション/継続的デリバリー)ツール「GitHub Actions」とPull Requestを連携させた自動簡易テストによる開発品質の向上、SAML(Security Assertion Markup Language)認証サービス「IdP」の活用によるアカウント管理コストの3分の1までの圧縮などが挙げられている。

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