ROSロボット開発者向け開発管理環境ユーティリティーを公開:組み込み開発ニュース
インテックは、ロボット開発者向け開発管理環境ユーティリティー「RDBOX」をオープンソースとして「GitHub」で公開した。ROSロボット開発者のITスキルを補完し、ロボット開発の効率化を支援する。
インテックは2019年4月23日、ロボット開発者向けの開発・管理環境ユーティリティー「RDBOX(アールディーボックス)」を、オープンソースとしてソフトウェア開発プラットフォーム「GitHub」で公開すると発表した。
RDBOXは、同社が2018年9月より評価版アカウントの無償提供を開始したロボット開発者向けのユーティリティー。ロボット側のエッジ機能とクラウド側の管理運用機能で構成される。コンテナ化したアプリケーションを管理する「Kubernetes」と、コンテナ型仮想環境「Docker」を利用し、ロボット開発の効率化を促進する。
インターネットとサービスロボットの間に、RDBOXをインストールした機器を設置すると、ROS(Robot Operating System)ロボットに最適化したKubernetesクラスタとWi-Fiネットワークを自動で構築する。既存のネットワークと分離したROSロボット専用のネットワークを構築し、VPNによる接続とクラウド管理画面に限定することで、サイバー攻撃から保護する。現在はAWS(Amazon Web Services)とオンプレミス環境をサポートする。
また、DockerやKubernetesの活用により、ローリングアップデートやロールバックなどの自動配信と自動運用に対応する。
同社は、RDBOXを提供することで、ROSロボット開発者のITスキルを補完し、ロボットの新しい利用形態や新サービスの創造を支援したいとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ロボット開発で注目される「ROS」(Robot Operating System)とは何か
ロボットの話題を聞くことが増えたが、判断と制御、駆動を備えたロボットを作るのはかなり骨が折れる。その負担を軽減するフレームワークが「ROS」(Robot Operating System)だ。 - ロボットに使われる分散処理、なぜ「ROS」が好まれるのか
ロボットの制御には集中管理よりも分散処理の方が都合が良く、さまざまなものが登場しているが、その中で一番有名なのが「ROS(Robot Operating System)」である。ではなぜROSが有名なのか。 - ROSを使う手順、パッケージとシミュレータの活用
ロボット開発に有用とされるROSだが、習得には対応ロボットを入手した方が手っ取り早い。利用開始までの手順と、併用したいツールやデバッガも紹介する。 - ROSを活用した自動運転車のソフトウェア開発、GHSが積極サポート
Green Hills Software(GHS)は、「第22回 組込みシステム開発技術展(ESEC2019)」において、同社のリアルタイムOS(RTOS)「INTEGRITY」とハイパーバイザー「INTEGRITY Multivisor」を用いてROS(Robot Operating System)システムをデバッグするデモンストレーションを披露した。 - ロボットアプリケーションの開発支援サービス、ROSをAWSに接続できる
AWS(Amazon Web Services)は、インテリジェントなロボティクスアプリケーションを容易に開発、検証、展開できるサービス「AWS RoboMaker」を発表した。データのストリーミング、ナビゲーション、通信、認識、学習に対応したロボットを開発できる。 - 「ROS 2」を用いて組み込みロボットシステム開発を支援するサービス
イーソルは、ロボット制御フレームワーク「ROS 2」を使った、組み込みシステム開発を支援するエンジニアリングサービスの提供を開始した。マイコンを使った小規模な組み込みシステムで、ROS 2の活用と商用化を進める。