ROSを活用した自動運転車のソフトウェア開発、GHSが積極サポート:ESEC2019&IoT/M2M展
Green Hills Software(GHS)は、「第22回 組込みシステム開発技術展(ESEC2019)」において、同社のリアルタイムOS(RTOS)「INTEGRITY」とハイパーバイザー「INTEGRITY Multivisor」を用いてROS(Robot Operating System)システムをデバッグするデモンストレーションを披露した。
Green Hills Software(GHS)は、「第22回 組込みシステム開発技術展(ESEC2019)」(2019年4月10〜12日、東京ビッグサイト)において、同社のリアルタイムOS(RTOS)「INTEGRITY」とハイパーバイザー「INTEGRITY Multivisor」を用いてROS(Robot Operating System)システムをデバッグするデモンストレーションを披露した。
自動運転車をはじめとする自動運転システムの開発では、オープンソースソフトウェアであるROSやROS2が用いられることが多い。ただしROSは、UNIX環境(Ubuntu)上で動作するフレームワークであり、PC上での動作が前提となる。
GHSは自動運転車のソフトウェア開発でROSを活用できるように、自動車向けの機能安全規格であるISO 26262に関わるような機能のソフトウェアを切り出してINTEGRITY上で動作させ、ISO 26262とは関わらない機能はINTEGRITY Multivisor上で動作するROSに残す構成を提案している。
またGHSの統合開発環境「Multi」は、INTEGRITYのアプリケーションだけでなく、組み込みLinuxのアプリケーションのデバッグを行える。最新バージョンでは、両方のアプリケーションを同期連携した状態でのデバッグも可能になった。これにより、先述したROSを活用した自動運転車のソフトウェア開発が容易になるとしている。
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