iPadで頭部形状を3Dスキャン、アートネイチャーの「新・3D型取りシステム」:3Dスキャナーニュース
アートネイチャーは、タブレット端末(iPad)を使用して頭部形状を測定する「ポータブル3Dスキャナ」を導入し、オーダーメイドウイッグを取り扱う同社全店および全国の百貨店で開催されるレディース展示/試着会において、「新・3D型取りシステム」の運用を開始した。
アートネイチャーは2022年1月24日、タブレット端末を使用して頭部形状を測定する「ポータブル3Dスキャナ」を導入し、オーダーメイドウイッグを取り扱う同社全店および全国の百貨店で開催されるレディース展示/試着会において、「新・3D型取りシステム」の運用を開始したことを発表した。
同社は、顧客の頭部形状にフィットする高品質なオーダーメイドウイッグを製作することを目指し、2006年に3Dスキャナーを活用した据え置き型の「3D型取りシステム」を業界に先駆けて導入。今回の新・3D型取りシステムはその改良版という位置付けで、タブレット端末(iPad)のカメラ機能と専用アプリを使用することで、大型だった店舗用の据え置き型3Dスキャナーのポータブル化を実現し、店舗の省スペース化を可能にした。
また、ポータブル化の実現によって、顧客先での訪問相談や展示/試着会といった店舗以外での測定にも対応。計測データを工場にダイレクトに送信することで、納期短縮や業務効率化が図れるという。
新・3D型取りシステムによる頭部形状の測定では、地形測量を応用した新技術を採用する。これにより、従来計測が難しいとされてきた襟足のアール形状に至るまで、ウイッグを装着する部位全体を正確に3Dデータ化できるようになった。
オーダーメイドウイッグの製作フローは次の通り。まず、新・3D型取りシステムで正確に頭部形状を3Dスキャンした後、計測データとオーダー情報(スタイルやカラーなど)がタブレット端末から直接工場に送信される。工場では計測データに基づき、専用のミリングマシンで立体の型(モールド)を削り出し、ウイッグの土台となるベース(キャップ)を作成する。その後、オーダー情報に基づき毛髪素材のブレンド、植毛が行われ、仕上げ/検品を経て出荷される。
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