設備化するジアイーノ、天井埋込形の新製品投入で非住宅向けを拡大:医療機器ニュース(2/2 ページ)
パナソニックが次亜塩素酸技術による高い除菌・脱臭力を特徴とする「ジアイーノ」の事業戦略について説明。非住宅向けとなる、除菌、脱臭に加湿の機能も備えた新製品「天井埋込形ジアイーノ」を2022年4月1日に発売する。これによって非住宅向けの展開を拡大し、ジアイーノ事業の売上高を2025年度に500億円に伸ばしたい考えだ。
2025年度には非住宅向けの売上高300億円へ
今回発表した天井埋込形ジアイーノは、非住宅向けでの設備化をさらに充実させるための製品展開となる。2025年度の売上高目標500億円のうち、住宅向けは200億円、非住宅向けは300億円となっており、「この非住宅向けの成長実現をトリガーとした国内外の展開で拡販を目指す」(小笠原氏)としている。
天井埋込形ジアイーノがターゲットとする市場は、医療施設待合室や保育施設、介護施設などの除菌対策が必要な施設だけでなく、オフィス、マンションのごみ置き場や共用部といった除菌・脱臭対策を福利厚生、差別化要因として活用したい施設も入る。
そこで、ジアイーノの最大の特徴である次亜塩素酸技術による除菌・脱臭の他に、より細かい水の粒子を作り出せる遠心破砕技術を用いた加湿機能を新たに搭載した。さらに、HEPAフィルターによって室内の粉じんや微粒子の除去も可能になっている。別売りの換気扇システムと連携させれば、天井埋込形ジアイーノのCO2センサーの情報に基づく自動換気も行える。
もちろん天井にビルトイン可能な天井埋込形の設備機器なので、ダクトをつなげることで施設の間取りに応じた複数の空間に対して、除菌、脱臭、加湿、換気などを行える。1台で、広さ125m2、高さ2.7mの空間をカバーする。専用リモコンを使えば、8台までの天井埋込形ジアイーノを接続しての同時運転を行えるので、最大1000m2の広さにも対応可能だ。また、新設施設への組み込みや既存施設への後付けを適切に行うのに必要な空間シミュレーションソフトも開発した。
天井埋込形ジアイーノの希望小売価格は75万円(税別)。目標販売台数は2年間で2000台。順次海外向けの展開も進め、2025年度のジアイーノ事業の売上高目標500億円のうち、天井埋込形ジアイーノで50億円を稼ぎ出したい考えだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- プラズマによる排ガス処理からオゾン除菌装置を開発、ダイハツと日本特殊陶業
ダイハツ工業は2021年8月30日、オゾンを利用した除菌装置「MIRACLE BUSTER」を開発し、福岡県久留米市の施設に導入したと発表した。日本特殊陶業と共同開発した。ダイハツは2021年3月にも紫外線による除菌装置を発表、全国の販売店に無償貸与している。 - 新型コロナ対策で注目のUV-C、エアロシールドが説く「室上部水平照射」の有効性
富士通ゼネラルは2021年3月末から同社のグループ企業となったエアロシールドが展開する紫外線照射装置の技術について説明。波長280nm以下のUV-C(深紫外線)を部屋の上部で水平方向に照射する室上部水平照射式により、新型コロナウイルス感染症の感染経路として注目されているエアロゾル感染への有効な対策が可能になるという。 - 二酸化塩素が新型コロナウイルスを不活化
大木製薬と東北大学は、二酸化塩素が新型コロナウイルスを30秒間で99.99%以上不活化させることを確認した。 - 深紫外線でウイルスと菌を効果的に抑制、ダイキンが空気清浄機に業界初搭載
ダイキン工業は2021年3月1日、空気中のウイルスや菌の抑制効果がある深紫外線を照射する「UVC LED」ユニットを業界で初めて搭載した「UVストリーマ空気清浄機」を同年4月26日に発売すると発表。UVC LEDを搭載した空気清浄機は「業界初」(ダイキン)だという。 - COVID-19対策に有効なオゾン除菌装置の生産拡充に向けて協業
コニカミノルタとタムラテコは、新型コロナウイルス感染症対策製品の生産拡充などを目的とした包括的協業に合意した。コニカミノルタはタムラテコのオゾン関連製品について、重要な部品の調達や、部品調達先の開拓などを支援する。 - オゾン発生装置の新型コロナウイルスに対する不活化効果を実験で確認
村田製作所は、同社の「イオナイザモジュール」「オゾナイザモジュール」により発生するオゾンガスが、試験槽空間において新型コロナウイルスに対する不活化効果を持つことを実証した。