オゾン発生装置の新型コロナウイルスに対する不活化効果を実験で確認:医療機器ニュース
村田製作所は、同社の「イオナイザモジュール」「オゾナイザモジュール」により発生するオゾンガスが、試験槽空間において新型コロナウイルスに対する不活化効果を持つことを実証した。
村田製作所は2020年11月10日、同社の「イオナイザモジュール」「オゾナイザモジュール」により発生するオゾンガスが、試験槽空間において新型コロナウイルスに対する不活化効果を持つことを実証したと発表した。この成果は、奈良県立医科大学への委託研究により得られた。
イオナイザモジュールは、針状の電極に直流の高電圧を印加することでイオンを生成させ、イオンが持つ電荷のクーロン力で浮遊する微粒子を捉える。同社のイオナイザは、電極周辺のセラミック基板上に電極を形成することでオゾンを生成する。また、オゾナイザモジュールは、セラミック基板上の電極に交流の高電圧を印加してオゾンを生成する。オゾンは酸化力や除菌、消臭などへの効果が知られている。
今回の実験では、新型コロナウイルスが付着した試験片を6.7Lの密閉空間に静置し、オゾナイザから発生するオゾンをファンで一定時間照射した。試験は湿度50.0〜59.7%、温度19.6〜21.8℃の環境で、3回実施した。
作用時間後に試験片からウイルスを回収し、細胞感染性を持つウイルスの粒子数であるウイルス感染価をプラーク法で測定したところ、日本産業衛生学会が定めるオゾン許容濃度0.1ppmにおいて、120分後に99.9%以上の不活化効果を確認した。
なお、今回の実験結果は試験空間で確認された数値であり、実機を搭載し使用した環境での効果を示すものではない。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ハイドレード化により、実用可能な濃度のオゾンの安定貯蔵に成功
慶應義塾大学は、オゾンを安定的に貯蔵し、連続的かつ高速でオゾンハイドレードを大量生成する技術を開発した。実用可能な水準の濃度のオゾンを含む、オゾンハイドレート連続生成実証設備を開発した。 - 柿渋が新型コロナウイルスを1万分の1以下に不活化することを確認
奈良県立医科大学は、柿から高純度に抽出した柿タンニン(柿渋)が、新型コロナウイルスを1万分の1以下に不活化することを確認した。実験条件は人の口腔内の条件と類似しており、柿タンニンによる不活化が口腔内でも起こる可能性を示唆している。 - BCGワクチン接種義務が新型コロナウイルス流行を抑制する可能性を示唆
京都大学の研究チームは、BCGワクチンの接種を義務づけていた国々では、そうではない国々と比べて、新型コロナウイルスの流行初期における感染者数、死者数の増加率が有意に低いことを発見した。 - 新型コロナウイルスに対し98%以上の消毒効果を確認
大阪大学は、要時生成型二酸化塩素水溶液(MA-T)が、新型コロナウイルスを98%以上消毒できることを実証した。MA-Tを含む水溶液が1分間接触すると、ウイルスへの高い阻害効果が確認された。 - マグナがオゾン除菌装置、新型コロナへの効果を立証する協力企業を募集中
マグナ・インターナショナルがオゾンを使用した除菌装置「PURO」の開発を進めている。大きめのクーラーボックスのようなサイズと形状で、洗えない服や靴、カバン、子どものおもちゃなどを中に入れて除菌、消臭する製品だ。