GMはシボレーでもEVを続々投入、95%ハンズオフ可能な「ウルトラクルーズ」も:電気自動車
General Motors(GM)は2022年1月5日、消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2022」の基調講演において、EV(電気自動車)や自動運転技術の最新の取り組みを発表した。シボレーブランドで投入する3車種のEVを披露した他、Cruise(クルーズ)との協力によって開発している自動運転システムの進捗や、キャデラックブランドでデザインした移動空間のコンセプトについても紹介した。
General Motors(GM)は2022年1月5日、消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2022」の基調講演において、EV(電気自動車)や自動運転技術の最新の取り組みを発表した。シボレーブランドで投入する3車種のEVを披露した他、Cruise(クルーズ)との協力によって開発している自動運転システムの進捗や、キャデラックブランドでデザインした移動空間のコンセプトについても紹介した。
シボレーブランドからは、ピックアップトラック「シルバラード」のEVモデルを発表。価格は3万9900〜10万5000ドル(約460万〜1220万円)で、2023年に発売する。フル充電で400マイル以上(約640km)を走行できるという。GMの独自バッテリー「Ultium(アルティウム)」を搭載したEV専用車台を採用する。アルティウムバッテリーは、鉄道や航空機、水上バイクなどさまざまなモビリティの電動化での使用が検討されているという。
シルバラードEVは、FedEx(フェデックス)とWalmart(ウォルマート)がラストワンマイルの配送用車両として注文を予定している。クロスオーバーSUVの「エクイノックス」や、ミッドサイズSUV「ブレイザー」のEVモデルも2023年に投入する。エクイノックスEVの希望小売価格は3万ドル(約347万円)から。
自動運転技術の開発では、GMはクルーズと協力を続けている。配車サービス向けの自動運転車だけでなく、個人で購入できる自動運転車の開発も目指す。また、現在サンフランシスコ市内では、運転席が無人の状態でクルーズの社員など向けに配車サービスを提供している。
ADAS(運転支援システム)に関しては、2023年までにGM全体で22車種に、高速道路でハンズオフ可能な運転支援機能「スーパークルーズ」を搭載する。さらに、一般道も含む運転シナリオで、ドアツードアの95%でハンズオフを可能にする「ウルトラクルーズ」も2023年から発売するという。ウルトラクルーズには、Qualcomm(クアルコム)の最新の「Snapdragon Rideプラットフォーム」を使用するとともに、コンピューティングアーキテクチャをGMとクアルコムで共同開発した。コンピューティングアーキテクチャは、ノートPCを2台重ねたサイズとなる。
キャデラックブランドでは、いわゆる空飛ぶクルマ(eVTOL、電動垂直離着陸機)と自動運転車を組み合わせたパーソナルでマルチモーダルな移動「Cadillac’s Halo Concept」を提案した。このコンセプトの自動運転車は、GMの独自バッテリー「Ultium(アルティウム)」を搭載したEV専用車台、ソフトウェアプラットフォーム「Ultifi」を採用する。
UltifiはLinuxベースで、デベロッパーフレンドリーである点も強みとする。サードパーティーの開発を促進することで、車両のユーザーのためのイノベーションを加速させる。シボレーブランドではシルバラードEVで初搭載する。
UltifiはGMのクルマのOSであり、ソフトウェアとハードウェアを分離し、新しい機能やサービスをソフトウェア主導で提供できるようにする。車両をアップデートすることで、車両の加速性能の向上、気分に応じたインテリアの変更、天候に合わせたボディー系の操作、ガレージや自宅の設備の操作などさまざまな機能を追加できるという。
Cadillac’s Halo Conceptでは、ソフトウェアで定義された機能やサービスを提供し、キャデラックユーザーのための体験を提供。EVの加速性能を生かした「Max Power Mode」、ショップやレストラン、ランドマークなどを探す「Choose Your Own Adventure Mode」、車両のGPSを利用して近くの星座をスクリーンに映し出す「Planetarium Mode」などを乗員向けに展開する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- トヨタグループはソフト開発体制を1万8000人に、「幅広い分野の人材が必要」
トヨタ自動車は2021年8月25日、オンラインで説明会を開き、ソフトウェアやコネクテッド技術の開発方針を発表した。 - EV戦略を発表から数カ月で上方修正、トヨタがアジャイルさ示す
トヨタ自動車は2021年12月14日、EV(電気自動車)の戦略説明会を開催した。2030年までに商用車と乗用車でEV30車種を展開し、全てのセグメントにEVを設定する。EVのグローバル販売台数は、同年に年間350万台を目指す。 - ソニーが2台目のEVを披露、レベル2の自動運転や5Gによる遠隔操作も開発中
ソニーは2022年1月5日、消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2022」において、同年春に事業会社「ソニーモビリティ」を設立すると発表した。 - ホンダが「空飛ぶクルマ」、ガスタービンのシリーズハイブリッドで航続距離4倍に
本田技術研究所は2021年9月30日、新領域の技術開発の取り組みを発表した。公開したのは「eVTOL(電動垂直離着陸機)」「多指ロボットハンド」「循環型再生エネルギーシステム」の3つだ。“ホンダのコア技術”と位置付ける燃焼、電動化、制御、ロボティクスの技術を活用する。 - GMが2520億円を投資したEV生産拠点が稼働、コスト抑制で効率的な改修を実現
General Motors(GM)は2021年11月17日(現地時間)、EV(電気自動車)の生産拠点として全面改修したデトロイトのハムトラミック工場を公開した。改修の投資額は22億ドル(約2520億円)。2022年モデルの「ハマーEV」、2024年モデルの「シボレーシルバラードEV」「クルーズオリジン」の他、未発表のEVの生産を予定している。フル稼働時は2200人を雇用する。 - 電動化に全振りのGM、全車種の電動化とともに物流向けEVサービスへ参入
GMの会長兼CEOであるメアリー・バーラ氏は2021年1月12日(現地時間)、オンラインで開催中の「CES 2021」(2021年1月11〜14日)の基調講演に登壇し、現在が「歴史的にも社会的に変曲点にある」ということを訴えた。 - ホンダとGMが日本で自動運転車による移動サービス、独自の高精度地図作製から開始
ホンダは2021年9月8日、自動運転車による移動サービスの実現に向けて、9月中に技術実証を開始すると発表した。