キヤノンが映像技術でメタバース環境を支援、VR基盤ソフトなどを開発:VRニュース
キヤノンは2022年1月4日(現地時間)、米国ラスベガスでハイブリッド型展示会として開催される「CES 2022」(2022年1月5〜7日)に先立ち、プレスカンファレンスを開催。デジタルカメラや監視カメラなどで培った映像技術を活用し、Web会議などの映像コミュニケーションの価値を高めるさまざまな技術を紹介した。
キヤノンの米国法人であるキヤノンUSAは2022年1月4日(現地時間)、米国ラスベガスでハイブリッド型展示会として開催される「CES 2022」(2022年1月5〜7日)に先立ち、プレスカンファレンスを開催。デジタルカメラや監視カメラなどで培った映像技術を活用し、Web会議などの映像コミュニケーションの価値を高めるさまざまな技術を紹介した。
1つのカメラで複数の映像を作成するソフトウェア
紹介した技術の1つがハイブリッドミーティングソフトウェアソリューション「AMLOS(Activate My Line of Sight)」である。これは、1つのカメラの映像を使いながら、複数の映像情報を切り出して表示し、Web会議などの質を高めるものだ。例えば、会議室でカメラの前でプレゼンテーションをする人を撮影している場合、画面を3つに分割し、1つはプレゼンテーションの全景、もう1つは表示されている資料の拡大、もう1つは話者の顔を映すというような表示が行える。
さらに直感的なジェスチャー操作で簡単に操作できるようにしている他、会議の参加者が自由にプレゼン資料を拡大して表示するなど、参加者側が会議中にコントロールできるようにしているという。米国マイクロソフトとの協力で進めており、まずはマイクロソフトのコラボレーションツール「Teams」とクラウドプラットフォーム「Azure」との連携を行う。キヤノンUSAでは2022年前半にAMLOSの提供を開始する予定だとしている。
新たにメタバースを実現するVRソフトウェアも開発
さらに、VRプラットフォームソフトウェア「Kokomo」を開発していることも紹介した。これは、キヤノンの対応カメラ、VRヘッドセット、対応スマートフォンを使用することで、友人や家族と仮想的に「対面」を可能とする技術である。キヤノンのカメラと画像処理技術を使い、ユーザーの姿をリアルに再現するため、画面やアバターを通してではなく、対面して交流しているような感覚で話をすることができる。
キヤノン米国法人の社長兼CEOである小川一登氏は「Kokomoは、人々の記憶に残る有意義なつながりを創り出すことを可能にする」と語っている。同ソフトウェアは2022年に発売予定で、キヤノンのカメラとの互換性を拡大するとともに、機能の開発などを進めていくとしている。
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