ニュース
複雑なワーク形状にならって吸着や把持が可能な汎用ロボットハンド:産業用ロボット
THKは、ワーク形状にならって吸着または把持し、安定した搬送ができる「ならいハンド」シリーズ「TNH」の受注を開始した。ワークごとにハンドを交換する必要がなく、複雑な形状でも安定したハンドリングができる。
THKは2021年11月24日、ワーク形状にならって吸着または把持し、安定した搬送ができる汎用ロボットハンドの「ならいハンド」シリーズ「TNH」の受注開始を発表した。食品、医薬品、化粧品、家庭用品、機械部品、プラスチック製品など、多様な種類と形状に対応する。
TNHは、ワークの凹凸に合せて12本のシャフトをならわせてロックする“ならい機構”を採用したロボットハンドシリーズ。ワークごとにハンドを交換する必要がなく、複雑な形状のワークでも確実に吸着または把持ができ、ピックアップ時の姿勢を維持したまま安定した搬送と着座ができる。
12個の吸着パッドと内蔵した絞り弁でワークを吸着する「ならい吸着ハンド」、ワークの把持力と把持速度を容易に制御できる「ならいグリップハンド」、用途に合わせてカスタマイズ可能な「ならいユニット」の3タイプを提供する。
ならい機構部は、60mmの断面寸法に12本のシャフトを配置したコンパクトな設計となる。質量は、ならい吸着ハンドが0.5kg、ならいグリップハンドが1.2kg。ISO9409-1-50-4-M6に準拠した、取り付けフランジ対応ロボットに搭載できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 未知のモノでも優しくつかむ、ソニーがロボットマニピュレーション技術を紹介
ソニーグループは2021年12月7日、同社が開発中の技術を紹介する「Sony Technology Day」をオンラインで開催。その中で、ロボットが未知のモノでも優しくつかむことができるようになるマニピュレーター技術を紹介した。 - リアル過ぎてキモい! タコ足を模したロボットハンド
ドイツのFestoは、ハノーバーメッセ2017において「タコの足」をモチーフとしたロボットアームとロボットハンドを紹介した。軸による動きの制限を受けない他、対象物の素材や形状などにこだわらずさまざまなものを自由につかめるのが特徴。 - 事例で振り返る協働ロボットの使いどころ
成果が出ないスマートファクトリーの課題を掘り下げ、より多くの製造業が成果を得られるようにするために、考え方を整理し分かりやすく紹介する本連載。第14回では、「使いどころを探すのに苦労する」という声の多い協働ロボットについて、実際の事例をベースに紹介します。 - 協働ロボットはコロナ禍の人作業を補う手段となり得るか
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による混乱は2021年も続きそうな兆しを見せている。製造現場でも人の密集や密閉空間による作業が制限される中、これらを回避するために人作業の一部を代替する用途で期待を集めているのが協働ロボットの活用だ。2021年はコロナ禍による働き方改革も含め、製造現場での協働ロボット活用がさらに加速する見込みだ。 - 協働ロボット普及のカギは「用途別パッケージ」、2020年は“第3の道”にも期待
人口減少が加速する中、製造現場でも人手不足が深刻化している。その中で期待を集めているのがロボットの活用だ。特に協働ロボットの普及により人と同一空間を活用し新たな用途開拓が進んでいる。2020年はこれらの技術進化による普及が本格的に進む一方で、「人」との親和性をさらに高めた“第3の道”の登場に期待が集まっている。 - 人手不足対策で完全自動化は逆効果、人とロボットの協力をどのように切り開くか
人手不足に苦しむ中で、工場でもあらためて自動化領域の拡大への挑戦が進んでいる。その中で導入が拡大しているのがロボットである。AIなどの先進技術と組み合わせ、ロボットを活用した“自律的な全自動化”への取り組みも進むが現実的には難易度が高く、“人とロボットの協調”をどう最適に実現するかへ主流はシフトする。