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建材用化粧板の色柄を判別し、取り違えを防ぐ色柄センサーを開発:人工知能ニュース
埼玉工業大学は、ニシテック、イマジオムと共同開発した「色柄センサー」を発表した。独自の光学系と画像処理により建材用化粧板の色柄の違いを判別し、従来の目視検査を自動化することで、材料の取り違えを防止する。
埼玉工業大学は2021年11月16日、同大学工学部機械工学科の河田研究室とニシテック、イマジオムが共同開発した「色柄センサー」の販売開始について発表した。建材用化粧板の色柄を画像処理で判別し、従来の目視検査を自動化することで、材料の取り違えを防止する。
色柄センサーは、建材の色彩や模様、質感といった色柄の違いを定量化し、判別するシステムだ。独自の光学系と画像処理により、肉眼では判別の難しい微妙な色柄を高精度に判別する。
光学系は撮像素子とパターン照明装置を一体化し、その周囲をケースで覆うことで外乱光の影響を極力排除し、素材の特徴を取得する。測定対象物と接する面には軟質樹脂製の遮光カバーを設け、測定者や測定対象の違いによるばらつきも抑えた。
また、画像処理とパターン認識用に、基準データと比較対象データの違いを判別するMT法を採用した判定ソフトウェアを開発。実際の化粧板に対して、二値化とMT法を組み合わせた方法の有効性を確認した。画像回転処理などを施すことで、方向性がある模様の違いが判別可能であることも分かった。
同センサーシステムは、装置設計、製作、販売をニシテックが担当し、システム設計、ソフトウェア実装をイマジオムが担った。河田研究室は高精度判別手法の開発を担当している。
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