複雑な配線など制御盤構築の負荷低減、ベッコフがモジュール型制御盤を発表:FAニュース
ドイツのBeckhoff Automationは2021年11月23日、オンライン説明会を開催し、新たにモジュラー化により制御盤の構築を簡略化する「MX-System」を発表した。
ドイツのBeckhoff Automation(以下、ベッコフ)は2021年11月23日(現地時間)、オンライン説明会を開催し、新たにモジュラー化により制御盤の構築を簡略化する「MX-System」を発表した。
ベッコフではドイツの制御技術の展示会「SPS IPC Drives 2021」(2021年11月23日〜26日)に出展予定だったが、ドイツ国内で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の再拡大が進んでいることから出展を中止。同イベントで出展予定だった技術などをオンラインで説明した。
その中で新コンセプトの製品として発表されたのが「MX-System」である。「MX-System」は、従来の制御盤をモジュール化されたユニットの組み合わせで構築できるようにするものだ。ベースプレートと各種機能を搭載したモジュールユニットで構成され、ベースプレートに必要なユニットを挿入することで簡単に従来の制御盤と同等の機能を実現できる。
従来、制御盤は機械やシステムには欠かせないものであったが、一方で制御盤の開発や配線には多くの時間がかかりミスも発生しやすいという課題を抱えていた。「MX-System」により、モジュール化されたアプリケーションを挿入するだけで構築できるようにすることで作業のシンプル化を実現し、制御盤構築の負荷を低減できる他、スペース効率なども高めることができる。
ベースプレートは保護等級IP67の堅牢なアルミニウム製で、通信用EtherCATと内蔵電源(安全特別低電圧、AC400V、DC600V)を備えている。大きさはさまざまなモノを用意するが、最大で3列、1列当たり24個のスロットを備える。各スロットでタイプに応じて異なる電圧とEtherCATの通信バスを提供する。
ベースプレートにプラグインされる各機能モジュールはEtherCATデバイスでもあるため、「MX-System」および同システムが制御する機械やシステムの包括的な遠隔診断なども可能だ。また、ベースプレートには、温度などの環境パラメータを常時監視するハウスキーピングシステムが搭載され周辺環境情報の取得なども行える。モジュールにはIPCやI/O、電源、モーション制御、セーフティ機器などが用意されている。
ベッコフ創業者で社長のハンス・ベッコフ(Hans Beckhoff)氏は「モジュールを挿入するだけで簡単に使えるようにしたことがポイントだ。制御盤の構成を入れ替えることも簡単になる。先行して顧客企業とのエンジニアリングの実証などを進めているが、配線作業などで通常は3日間かかるところが1日でできるなど、さまざまな成果が確認できている」と語っている。
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