そのサイズダウンは誰のため? オムロンが制御盤革新に向け952機種を刷新:FAニュース(1/2 ページ)
オムロンは、FA機器を格納し設備をコントロールする「制御盤」の小型化やスペース確保、製作工数の削減を実現するため、共通の設計コンセプトに仕様を統一したFA機器20カテゴリー952形式を世界一斉発売する。個々の部品のスペックの追求のみでなく、制御盤全体での最適化を実現し、新たな付加価値創出を目指す。
オムロンは2016年3月15日、FA(Factory Automation)機器を格納し設備をコントロールする「制御盤」の小型化やスペース確保、製作工数の削減を実現するため、共通の設計コンセプトに仕様を統一したFA機器20カテゴリー952形式を、同年4月1日に世界一斉発売することを発表した。
個々の部品の向上が盤全体の付加価値向上につながらない
FA市場のグローバル化が加速する中、生産設備にも多様化や高機能化、短命化の傾向が生まれている。こうした流れから、制御盤内に搭載されるFA機器は増加。また制御盤内での省スペース化や海外対応などが求められるようになっており、効率的な製作を行うためには、設計・生産プロセスの向上が必須となっている。
ただ、制御盤内で使用されているFA機器は、それぞれが1つの部品であり、個別最適として競合製品に勝つようなスペックでの製品開発が続いてきた。結果的に、例えば、小型化を実現したとしても、その空いたスペースを制御盤全体としては有効活用ができるわけではなく、デッドスペースが増えるだけというような状況が発生。個々の性能向上が必ずしも制御盤全体の性能向上につながらない状況になっていた。
これらの状況を改善すべく、従来の製品開発の手法を全て見直し、「制御盤」全体での付加価値向上に向けて取り組んだのがオムロンの新コンセプト製品群である。オムロンでは、新たに35項目にわたる統一コンセプトで新たにFA用機器を開発し、「Value Design for Panel」として、差異化を図っていく方針である。
オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 商品事業本部 コンポ事業部長の辻永順太氏は「オムロンではもともと制御盤内で使用するFA機器の数多くを提供していた。しかし、従来は個別製品での差別化についてしか考えてこなかった。新コンセプト製品は個々の製品で勝負することはもちろんだが、制御盤全体での価値向上を推進することで、製品の機能を合計した以上の価値を生み出していく」と述べる。
新コンセプト製品は、デザインや操作性などをそろえることで、制御盤全体で、省スペース化や操作性の改善など、新たな付加価値を実現したことが特徴となる。
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