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これは“空飛ぶじゅうたん”か、浮遊型搬送システムと関連技術を訴えたベッコフハノーバーメッセ2019(1/2 ページ)

ドイツのBeckhoff Automation(以下、ベッコフ)は、ハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、“浮遊して運ぶ”リニア搬送システム「Xplanar(Xプラナー)」を紹介。同システムのために開発した高速通信技術「EtherCAT G」や機械学習機能を採用したソフトウェアPLC技術「TwinCAT Machine Learning」などの関連技術をアピールした。

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 ドイツのBeckhoff Automation(以下、ベッコフ)は、ハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、“浮遊して運ぶ”リニア搬送システム「Xplanar(Xプラナー)」を紹介。同システムのために開発した高速通信技術「EtherCAT G」や機械学習機能を採用したソフトウェアPLC技術「TwinCAT Machine Learning」などの関連技術をアピールした。

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リニア搬送システム「Xplanar」。平面タイルの上を可動部が動き、スマートフォンや薬品などさまざまなものを(クリックで拡大)

異次元の動きを再現する浮遊型リニア搬送システム「XPlanar」

 ベッコフが開発した「XPlanar」は、電磁力により浮遊させた可動部を、平面タイルの上に浮かべて自由に動かすことが可能な、リニア搬送システムである。高度な電気制御技術により、精密な位置決めを可能とし、複数の可動部をぶつからないように滑らかに動かすことができる。浮遊する可動部は2Gの加速度、4m/sの速度、±50μmの精度で位置再現できる。非接触であるため、摩耗や汚染物質の排出なども抑えられ、食品や飲料、医療機器など清浄な環境が求められる用途にも適用可能だ。

ハノーバーメッセ2019 ベッコフオートメーションの“浮遊するリニア搬送システム”「Xplanar」の実演。XY軸方向だけでなく上下の動きや傾きなども再現できるという。

 基盤となる平面タイルは240×240×67mmで任意の形状に配置が可能。タイル内にはコイルと電子機器が組み込まれており、これらで発生する電磁力を制御することで可動部を動かす。可動子はXY軸方向だけでなく、5mmまでの持ち上げと下降機能なども持つ。液体などを載せた場合最大5度まで傾けることも可能だ。

 「XPlanar」そのものは2018年11月の制御技術の展示会「SPS IPC Drives 2018」で発表されていたが、今回は新たにスターターキットを用意したことを発表。6つの平面タイルと4つの可動部、IPCとソフトウェアなどをセットにした「APS9000」と、12個の平面タイルと4つの可動部、IPC、ソフトウェアなどをセットにした「APS9001」である。用途としては組み立て製造業、医療関係、研究関係、食品関係などを想定する。

 日本での販売開始についてはまだ決まっていないが「2019年末までには販売できるようにしたい」(ベッコフ日本法人 代表取締役社長 川野俊充氏)。

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平面タイル(左上)と3種類の可動部(クリックで拡大)

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