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インスリンポンプを操作する、スマートフォン型端末の開発に着手:医療機器ニュース
テルモは、パッチ式インスリンポンプ「メディセーフウィズ」を操作する、スマートフォン型端末を開発する。同端末の開発に向けて、欧州のパートナー企業と共同開発契約を締結した。
テルモは2021年11月8日、パッチ式インスリンポンプ「メディセーフウィズ」を操作する、スマートフォン型端末の開発を開始したと発表した。これに向けて、欧州のパートナー企業と共同開発契約を締結している。
膵臓(すいぞう)からインスリンがほとんど分泌されない1型糖尿病患者は、注射やインスリンポンプによるインスリン投与が欠かせない。携帯型ポンプを用いるインスリンポンプ療法は、皮膚から数mmの皮下にカニューレの先端を留置し、持続的にインスリンを注入する。通常1日4回以上必要な注射に比べ、血糖値の変動が少なく、合併症予防にも効果があるといわれている。
メディセーフウィズは、2018年にテルモが発売した日本初のパッチ式インスリンポンプで、チューブを必要とせずにポンプを装着できる。現在はタッチパネル式のリモコンで基礎投与や追加投与などを設定する仕様だが、操作の煩雑さや周囲の目が気になるという心理的負担が課題となっている。これらの課題を解決するため、スマートフォン型端末での操作を可能にする予定だ。
メディセーフウィズは、日本国内では500人以上の患者が使用しており、2021年からは欧州でも展開している。
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