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当てるだけで嚥下時の喉の動きを可視化できるモニターを発売:医療機器ニュース
バンドー化学は、同社が開発した伸縮性ひずみセンサー「C-STRETCH」を用いた嚥下運動モニター「B4S」の販売を開始した。これまでは嚥下訓練の施術者しか把握できなかった嚥下時の喉の動きを可視化する。
バンドー化学は2021年10月29日、同社が開発した伸縮性ひずみセンサー「C-STRETCH」を用いた嚥下(えんげ)運動モニター「B4S(ビーフォーエス)」を発売したと発表した。これまでは嚥下訓練の施術者しか把握できなかった嚥下時の喉の動きを、非侵襲的に可視化できる。
B4Sを喉に当てながら嚥下すると、搭載したC-STRETCHが喉の動きを検知して専用タブレットに波形として表示する。
そのため嚥下者は、自分で喉の動きを確認しながら嚥下訓練に取り組める。また、嚥下回数や嚥下から次の嚥下までの時間も計測でき、データの変化を確認することが可能だ。
高齢化が進むなか、加齢とともに低下する嚥下機能の問題は注目されている。嚥下障害は重大な疾患である誤嚥性肺炎につながる恐れがあり、また、食べる楽しみが減ることによる高齢者のQOL低下も招きかねない。
同社はB4Sの発売を機に、医療、ヘルスケア領域のカテゴリーブランドを立ち上げたことも併せて発表した。
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