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ホンダに3車種目の電動バイク、交換式の新型バッテリーで走行距離1.2倍電気自動車

ホンダは2021年10月28日、ビジネス向けの電動三輪スクーター「GYRO CANOPY e:(ジャイロキャノピー イー)」を同月29日に発売すると発表した。

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 ホンダは2021年10月28日、ビジネス向けの電動三輪スクーター「GYRO CANOPY e:(ジャイロキャノピー イー)」を同月29日に発売すると発表した。

 駆動用バッテリーは交換式で、充電済みの電池と取り換えることで充電の待ち時間なく走行できる。ジャイロキャノピー イーでは、従来のホンダ製交換式バッテリー「モバイルパワーパック」の容量を拡大した「Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」を採用する。


ビジネス向けの電動三輪スクーター「GYRO CANOPY e:(ジャイロキャノピー イー)」を発売[クリックで拡大] 出所:ホンダ

 モバイルパワーパックは1台に2個使用するが、2個とも旧型もしくは新型でそろえていれば、新旧を問わず使用できる。また、「Benly e:(ベンリー イー)」「Gyro e:(ジャイロ イー)」といった他のホンダの電動バイクとも共用できるよう、互換性を持たせている。

 日本国内の販売計画台数は年間1000台。メーカー希望小売価格は71万5000円で、モバイルパワーパック イーとその充電器は本体を購入もしくはリースした法人向けにリースで提供する(ガソリン車の「ジャイロキャノピー」のメーカー希望小売価格は57万900円)。

 ドライバーの安全運転や業務効率化を支援し、バッテリーの状態もモニタリングできる法人向けのコネクテッドサービス「ホンダフリートマネジメント」や、バイク向けのドライブレコーダーも提案する。

原付1種のビジネス向けモデルで電動車70%に

 ジャイロキャノピー イーはビジネス向け電動バイクでベンリー イーやジャイロ イーに続く3車種目となる。ホンダは2025年に、原付1種のビジネス向けモデルに占める電動車の販売比率を70%以上まで増やすことを目指している。ホンダ製品の原付1種のうちビジネス向けは出荷台数の26%を占め、年々拡大している。ビジネス向けモデルの中でもジャイロキャノピーは2019年から2020年で1.5倍に増加するなどニーズの高いモデルだ。

 満充電のモバイルパワーパック イーを2個使用した状態でのジャイロキャノピー イーの走行距離は77km(時速30kmの定地走行テスト値)。充電は、車体から取り出したモバイルパワーパック イーを充電器に設置して行う。満充電までにかかる時間は5時間だ。

新開発のモバイルパワーパック イー(左)。取り回しやすいサイズとした(右)[クリックで拡大] 出所:ホンダ

 モバイルパワーパック イーは、電池容量を拡大するとともに、扱いやすさに配慮したハンドル形状に変更した。車体のシート下に搭載して使用する。EVシステムとしてはジャイロ イーに搭載したシステムを踏襲したが、バッテリーの変更によって性能を維持しながら走行距離を拡大。旧型のモバイルパワーパックを使用した場合の走行距離は65km。改良によって走行距離を1.2倍に伸ばした。

 駆動電流を効率よくモーターへ供給する制御技術を採用することで、モーターのきめ細かなトルク制御を行い、低速時や更新時のスムーズな走行を実現するとしている。30kgの荷物を載せたフル積載の状態でも14度の坂を登ることができる登坂性能を持たせた。

 モーターは後輪に設置し、コンパクトな構造とすることで、ホイールベースを縮小。取り回しやすいコンパクトな車体とした。モーターはアルミニウム製のケースとカバーの中にステーターとローターを固定しユニット化しており、ユニットで着脱できるため、メンテナンスしやすいという。

 電動バイクは、走行距離の短さや充電時間が普及に向けた課題となっている。交換式のバッテリーを用いることが解決策であると国内二輪車メーカーで合意し、カワサキモータース、スズキ、ヤマハ発動機、ホンダの4社で電動二輪車用交換式バッテリーのコンソーシアムを発足。2021年3月に交換式バッテリーとその交換システムの標準化と共通仕様化に合意した。異なるメーカーの電動バイクでバッテリーを相互利用するための環境整備が進められている。

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