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電動スクーターを“普通に”使えるように、台湾二輪車メーカーはインフラ計画も描く台湾電動スクーターメーカーの野望(前編)(1/3 ページ)

日本では現在、クルマの世界ではハイブリッド車の存在感が増し、少しずつ電動化の流れが強まってきていることを実感している人は多いはず。しかし2輪では、台湾が日本のはるか先を行く。そんな思いを抱かせる新型スクーターが登場した。

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3000人が集まったローンチイベント


台湾はスクーター大国。都市部でもあらゆる場所に駐輪スペースが確保され、個人移動手段として浸透している(クリックして拡大)

 日本では現在、クルマの世界ではハイブリッド車の存在感が増し、少しずつ電動化の流れが強まってきていることを実感している人は多いはず。しかし二輪車では、台湾が日本のはるか先を行く。そんな思いを抱かせる新型スクーターが登場した。

 台湾の二輪車メーカー、KYMCO(キムコ)は2018年6月中旬に新型電動スクーター「Many 110 EV」「Nice 100 EV」のローンチイベントを開催した。キムコはスクーターを中心としたラインアップを構築し、グローバルに事業を展開している。日本ではまだそれほど大きな存在とはなっていないが、欧州では多くの国でメジャーなブランドとしてすっかり定着した。また、大型スクーターに搭載するパワーユニットはBMWにも供給されるなど、大きな存在感を見せている。

 台湾では電動車両の購入に対し、政府と自治体が補助金制度を設けている。自治体ごとに補助額が異なるが、補助金を最大限利用した場合、今回発表した電動スクーターの現地での販売価格は、Many 110 EVの上級仕様が4万7800台湾ドル(約17万3696円)から、Nice 100 EVは2万9800台湾ドル(約10万8287円)からとなる。

 2台の新型電動スクーターの投入により、「電動スクーターを、世界の消費者にとってより身近なものにするという約束を果たした」とキムコは告げた。同時に、今後3年間で10種類の電動スクーターを市場投入して「世界の電動スクーター市場を変革する」とも発表した。

イベントには台湾全土から販売店関係者が集結。実車検分でも熱気が充満し、車両の撮影ができないほどだった(クリックして拡大)

 ローンチイベントには、台湾でキムコ車を取り扱う販売店の関係者などおよそ3000人が集まった。新型車を初めて目にする機会とあって、会場は熱気に包まれていた。また台湾に暮らす人々にとっては東京で2018年3月にワールドプレミアされた、電動モビリティのエネルギー供給ソリューション「IONEX(アイオネックス)」に初めて触れる機会だったことも、盛り上がりを後押ししていたようだ。発表された2台の新型電動スクーターは、このエネルギー供給ソリューションに対応したものなのだ。展示エリアのあちこちで、販売店関係者が説明員を質問攻めにする様子が見られた。

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