操作画面と制御を一体化した順送プレス加工自動化システム、段取り操作を簡易化:FAニュース
アマダプレスシステムは、プレスマシンとレベラフィーダの操作画面、制御を一体化した順送プレス加工自動化システム「ALFAS」の販売を開始する。第1弾として、2021年9月から「SDE-1515i III+ ALFAS-03KR」を発売する。
アマダプレスシステムは2021年9月1日、「i III」制御を搭載したプレスマシンとレベラフィーダの操作画面、制御を一体化した順送プレス加工自動化システム「ALFAS」の販売を開始すると発表した。第1弾として、同月から「SDE-1515i III+ALFAS-03KR」を発売。価格は4000万円(税別)からで、年間12台の販売目標を掲げる。
ALFASは、1つの操作盤に操作および制御を集約し、作業性を向上させた。運転、設定、段取りまでまとめて設定でき、製品ごとのプログラム番号による一連のデータ管理に対応する。視認性、操作性を向上するi III制御を搭載し、オペレーターによる段取り操作の簡易化や作業負担の削減、生産性の向上を支援する。
SDE-1515i III+ALFAS-03KRは、プレスマシンのSDE-1515i IIIとレベラフィーダのALFAS-03KRで構成され、システム全体の寸法は5200×3400×2000mmとなる。標準送り速度に加え、高速モードを新たに搭載。板幅や板厚、降伏点応力が低い材料の場合、高速モードを選択するとトップスピードが約40%上がり、生産性が向上する。
また、ALFASは、段取り操作を「送り装置タイミング設定」によって簡易化する。試打ち時にプレスマシンの内蔵ロードモニターから検出された荷重波形によって、金型の加工開始、終了位置を自動で検出し、パイロットピン高さやワーク高さを入力することでレベラフィーダのリリース、送りスタート、送り干渉のタイミングを自動で設定できる。
標準で「簡易アナログループ制御」を搭載し、ラインスピードとアンコイラの巻き出し速度を等しくして、コイル材が緩む「バラケ」を抑制する。これにより、ループ形成時の材料擦りキズを削減し、コイル材の途中交換も容易になる。コイル外径の入力ミスでの巻き出し異常も防止するため、上下限の光電センサーによりシステムを停止する機能も備えている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- IoT標準搭載が追い風に、アマダが目指す板金業界のIoT基盤構築
アマダは「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、千葉県・幕張メッセ)に3年連続で出展し、同社が展開する板金装置のIoT(モノのインターネット)ソリューション「V-factory」を中心に、デジタル化で得られる板金工場での新たな価値を訴求した。 - 軌跡をコントロールするレーザー加工技術、IoTによる自動化など工場の進化を訴求
アマダグループは2019年5月18日〜6月22日までユーザーイベント「AMADA INNOVATION FAIR 2019」(同社伊勢原事業所)を開催。その中で生産性と精度の両立を実現する新たなレーザー加工技術「LBCテクノロジー」搭載のファイバーレーザーマシンや、IoT(モノのインターネット)を活用した新たな工作機械の活用など、さまざまな新製品や新技術を紹介している。 - アマダがプレス事業を再編、自動化ソリューションに注力
アマダホールディングスは、プレス事業を強化するため、アマダマシンツールのプレス加工機械事業を吸収分割し、100%子会社のオリイメックへ承継する。金属プレス加工の総合的な自動化ソリューションを提供する方針だ。 - 進む産業機械のスマートフォン化、標準化とオープン化がカギに
スマート工場化が進む中、工場内の生産機械や設備にも生産情報や設備情報などを活用するために「つながる」ことが求められるようになってきている。こうした環境に合わせる形で、生産機械についても協調領域については「水平分業型」へのシフトが加速する見込みである。 - 工作機械の共通インタフェース「umati」とは何か?
工作機械のスマート化に向けて注目されている通信規格が「umati」である。本連載では「umati」とはどういう規格なのか、技術的にはどういう背景があるのか、どのような活用シーンがあるのかについて、紹介する。第1回となる今回は「umati」とは何かをテーマに概要を取り上げる。 - 工作機械も4.0へ、シェフラーとDMG森精機が描く「マシンツール4.0」
ドイツのインダストリー4.0が大きな注目を集める中、工作機械にもIoTを積極的に活用する動きが出てきている。軸受部品を展開するシェフラーと、工作機械メーカーのDMG森精機は工作機械のインダストリー4.0対応を目指す「マシンツール4.0」プロジェクトを推進している。