アマダがプレス事業を再編、自動化ソリューションに注力:製造マネジメントニュース
アマダホールディングスは、プレス事業を強化するため、アマダマシンツールのプレス加工機械事業を吸収分割し、100%子会社のオリイメックへ承継する。金属プレス加工の総合的な自動化ソリューションを提供する方針だ。
アマダホールディングスは2019年2月14日、プレス事業を強化するため、アマダマシンツールのプレス加工機械事業を吸収分割し、オリイメックへ承継すると発表した。同年4月1日付で社名を「株式会社アマダオリイ」に変更し、金属プレス加工の総合的な自動化ソリューションを提供する。
オリイメックは同社の100%子会社で、プレス加工機械向けの自動化装置などを手掛ける。2018年10月に子会社化して以降、両社は協業して、プレス加工機械の自動化ソリューションを提供してきた。今回、金属プレス加工の自動化需要に迅速に対応するため、新会社設立による機動的かつ効率的な事業体制を構築することを決定した。
新会社では、プレス加工機械と自動化装置を一体化させた自動化ソリューションと、最適な成形加工システムを提供する。主に自動車部品の加工ライン向けに、複数の小型プレス機と搬送ロボットを組み合わせて協調制御するタンデムラインを提供し、高まる自動化の需要に対応する。
商品開発では、熟練者でなくても使いやすく、生産性も高めた新しいプレス加工の自動化ソリューションの開発を進める。また、軽量化素材として需要拡大が見込まれる高張力鋼板など新しいプレス加工法の開発を進め、新規市場を開拓する。また、アマダ富士宮事業所におけるプレス加工機械の生産能力を増強し、オリイメックの現有能力と合わせて供給体制を強化する方針を立てている。
同社は、プレス事業の統合と組織の再編を通じて、2021年度までにプレス事業の売上高を250億円まで拡大するとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- アマダが富士宮に新工場、レーザー加工機用基幹部品の生産能力を倍増
アマダホールディングスは2018年12月20日、板金加工機械の開発製造拠点である富士宮事業所内に、ファイバーレーザ加工機用の基幹モジュールを生産する、新たな工場棟「モジュール工場」を建設することを発表した。 - 製造現場に働き方改革を、アマダの「V-factory」が目指すもの
アマダは、「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、千葉県・幕張メッセ)において、2018年5月から本格展開を行うIoTソリューション「V-factory」を中心に、モノづくりの効率化を訴えた。 - 機械が最高のパフォーマンスを発揮する工場へ、アマダが描くスマート化の理想像
板金加工機械大手のアマダは2018年5月から中小板金工場向けのIoTソリューション「V-facatory」の本格展開を開始したアマダ 執行役員 ベンディング事業本部長 アマダIoT(V-factory)推進プロジェクトリーダーの横山匡氏に話を聞いた。 - 新日鐵住金が超ハイテン材の供給体制強化、1500MPa級の生産にも対応
新日鐵住金は、超高張力鋼板(超ハイテン材)の供給体制強化のため、君津製鐵所に溶融亜鉛めっき設備を新設する。 - 590MPaの成形性で引っ張り強度は980MPa、新開発の超ハイテン材を日産が採用拡大
新日鐵住金は、形状が複雑な骨格部品にも適用可能な成形性を持った引っ張り強度980MPa級の冷間プレス用超高張力鋼板(超ハイテン材)を開発した。自動車に広く使用されている引っ張り強度590MPaハイテン材と同等の成形性を実現したという。 - 衝突実験からプレス加工まで、自動車業界で確実に進むCAEの活用
CAEの最新動向を有力ベンダーに聞く短期連載。自動車業界のCAEインフラを手掛けてきたSCSKと、自動車の構造計算ソフトのスタンダードである「LS-DYNA」をはじめとしたCAEソフトプロバイダーであるJSOLに、自動車業界におけるCAE利用の実際について聞いた。