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590MPaの成形性で引っ張り強度は980MPa、新開発の超ハイテン材を日産が採用拡大:車両デザイン
新日鐵住金は、形状が複雑な骨格部品にも適用可能な成形性を持った引っ張り強度980MPa級の冷間プレス用超高張力鋼板(超ハイテン材)を開発した。自動車に広く使用されている引っ張り強度590MPaハイテン材と同等の成形性を実現したという。
新日鐵住金は2018年6月18日、形状が複雑な骨格部品にも適用可能な成形性を持った引っ張り強度980MPa級の冷間プレス用超高張力鋼板(超ハイテン材)を開発したと発表した。自動車に広く使用されている引っ張り強度590MPaハイテン材と同等の成形性を実現したという。このハイテン材は日産自動車が2018年3月に発売した「QX50」のフロントサイドメンバーやリアサイドメンバーに採用されており、日産自動車は今後発売する新型車でも採用を拡大していく。
新日鐵住金は従来より引っ張り強度980MPaの超ハイテン材を生産していたが、成形性に制約があり、適用できる部品が限られていた。今回発表した素材は金属組織の最適化によって強度と成形性を両立した。これにより、従来ではプレス成形が困難だった複雑な形状の部品や、衝突時の衝撃を吸収する部品への適用が可能になった。日産自動車のQX50では重量ベースの超ハイテン材使用率は27%を達成した。
超ハイテン材は、ハイテン材と同等の車体性能を保ちながら鋼板を薄くできるため、軽量化につながる。新日鐵住金は780MPa級と同等の成形性を持つ1.2GPa級の超ハイテン材を量産しており、今回発表した製品とともに高成形性の超ハイテン材をラインアップに持つ。高成形性の超ハイテン材はいずれも日産自動車と新日鐵住金の共同開発となる。
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