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ホンダ新型「N-BOX」、車重950kgの先代モデルから“150kg”削り取る車両デザイン(1/2 ページ)

ホンダは軽自動車「N-BOX」を全面改良して発表した。ボディーやシャシーで大幅な軽量化を図り先代モデル比で車両重量を150kg削減した。商品力向上のための機能追加で70kg増加したのを差し引いても、80kgの軽量化を達成した。

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全面改良した軽自動車「N-BOX」(クリックして拡大)

 ホンダは2017年8月31日、東京都内で会見を開き、軽自動車「N-BOX」を全面改良して発表した。運転支援システム「ホンダセンシング」を全グレードで標準装備とした他、車両重量は80kgの軽量化を図り、走行性能と燃費、乗り心地を向上させた。また、「軽乗用車初」(ホンダ)となる570mmのロングスライド機構を助手席に採用し、前後ウォークスルーや後部座席とコミュニケーションしやすいレイアウトを実現した。


ホンダセンシングに使用する単眼カメラ。全グレードでホンダセンシングが標準装備となった(クリックして拡大)

 車両価格は138万5640円から。JC08モード燃費は、先代モデルの25.6km/l(リットル)から改善して27.0km/l。月間販売目標台数は1万5000台だが、既に2万5000台を受注している。

 ホンダの軽自動車のラインアップであるNシリーズでは今後、ホンダセンシングを順次標準装備としていく。新型N-BOXに採用したホンダセンシングは登録車と同等の機能に加えて、オートハイビームやホンダ初となる後方誤発進抑制機能も含まれる。


N-BOXに採用されるホンダセンシングの機能は従来モデルとそん色ない。ホンダ初となる後方誤発進抑制機能も含まれる(クリックして拡大) 出典:ホンダ

“150kg”の軽量化、カタログ上は60kg減

 新型N-BOXは、ボディーやシャシーで大幅な軽量化を図り先代モデル比で車両重量を150kg削減した。商品力向上のための機能追加で70kg増加したのを差し引いても、80kgの軽量化を達成した。「マイナス80kg」というのはホンダの社内計測によるもので、カタログに掲載する諸元値とは測定方法が異なるため新旧モデルの車両重量の差とは一致しない。


150kgを軽量化したところに70kg分の機能が増えた。結果として80kg分の軽量化を図れたとしている(クリックして拡大) 出典:ホンダ

 カタログ記載の車両重量はベンチシートタイプのFF車で890kgとなり、先代モデルからは60kg軽くなった。ロングスライド機構を採用したグレードはベンチシートタイプから40kg増の930kgとなる。

 “150kg”の軽量化の内訳は、ボディーが45%、シャシーが20%、インテリアで13%、エクステリアで12%、エンジンやCVT、電装品で10%となっている。

 ボディーとシャシーで軽量化と高剛性化を両立するにあたっては、高効率なフロアフレーム構造の採用や780MPa級以上の高張力鋼板の使用比率拡大、新たな接合技術の導入などを行った。1180Mpa級の超高張力鋼板を外板面に「世界で初めて採用」(ホンダ)するなど、積極的にコストをかけるのは「先代モデルの人気を踏まえると、さらなる商品力の強化には大幅に刷新する投資が必要だったからだ」(本田技術研究所 N-BOX開発責任者の白土清成氏)。

 先代モデルの骨格は780Mpa以上の高張力鋼板は約15%にとどまったが、新型では約47%まで増やした。内訳は1180MPa級が11.7%、980MPa級が15.9%、780MPa級が19.1%だ。1180Mpa級の超高張力鋼板はセンターピラーアウターパネルに採用している。


骨格では780MPa級以上の高張力鋼板の使用比率を拡大して軽量化を図った(クリックして拡大) 出典:ホンダ
570mmのロングスライド機構を助手席に採用(左)。そのためフロアは助手席と運転席が非対称な形状となっている(右)(クリックして拡大)
紫色の線は高粘度接着剤を用いた部位(左)。赤色の部位は1180Mpa級の超高張力鋼板、黄色の線はシーム溶接を行った箇所(右)(クリックして拡大)

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