住友化学が半導体向けフォトレジスト生産強化、大阪工場を増強し韓国に工場新設:工場ニュース
住友化学は2021年8月31日、最先端プロセス向けフォトレジストの生産体制を強化することを発表した。大阪工場(大阪市此花区)で、液浸ArF(フッ化アルゴン)とEUV(極端紫外線)フォトレジストの製造ラインを増設する他、住友化学の100%子会社である東友ファインケムの益山工場(大韓民国全羅北道益山市)に、液浸ArFフォトレジストの製造プラントを新設する。
住友化学は2021年8月31日、最先端プロセス向けフォトレジストの生産体制を強化することを発表した。
大阪工場(大阪市此花区)で、液浸ArF(フッ化アルゴン)とEUV(極端紫外線)フォトレジストの製造ラインを増設する他、住友化学の100%子会社である東友ファインケムの益山工場(大韓民国全羅北道益山市)に、液浸ArFフォトレジストの製造プラントを新設する。大阪工場は2023年度上期、東友ファインケムは2024年度上期の稼働開始を予定している。
フォトレジストは、半導体製造プロセスにおける回路パターン形成に使用される感光性樹脂で、住友化学では、ファインケミカル事業で培った有機合成技術をベースに高度な製品設計や評価技術を確立しており、大阪工場を中核に事業を拡大してきた。その中でも、微細加工を要する最先端プロセスで使用される液浸ArFフォトレジストは、性能優位性と品質安定性により世界的に高いシェアを占めている。また、東友ファインケムは、線幅の広いプロセス向けのi線・KrF(フッ化クリプトン)フォトレジストの製造拠点として、20年以上にわたり生産活動を続けている。
住友化学は、2019年度以降、第5世代移動通信システム(5G)の本格商用化などによる最先端プロセス向けフォトレジストの需要拡大を見据え、大阪工場で段階的な生産能力増強や、クリーンルームの建設などによる開発、評価体制の強化を進めてきている。
半導体市場は、データ通信の高速化や大容量化により今後も継続的な拡大が見込まれるため、今回、大阪工場での製造ライン増設に加え、事業継続計画(BCP)の観点も踏まえて、東友ファインケムへの製造プラントの新設を決定した。これらにより、住友化学グループの最先端プロセス向けフォトレジストの生産能力は、2024年度に2019年度比で約2.5倍とする。
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