独自の空気清浄技術により、浮遊する新型コロナウイルスを低減:医療機器ニュース
三菱電機は、日本繊維製品品質技術センターとの共同実証実験において、同社の空気清浄技術「ヘルスエアー技術」が、実空間を模擬した1立方メートルの密閉空間に浮遊する新型コロナウイルスを5分間で99%以上低減することを確認した。
三菱電機は2021年8月5日、同社独自の空気清浄技術「ヘルスエアー技術」が、実空間を模擬した1m3の密閉空間に浮遊する新型コロナウイルスの残存率を、5分間で99%以上低減することを確認したと発表した。日本繊維製品品質技術センターと共同で実施した実証実験の結果だ。
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ヘルスエアー技術は、放電電極と対向電極に直流電圧を加えることで強力な放電電界空間を生成し、その空間を通過するウイルスや細菌、アレル物質などを除去、低減する。リボン形状の放電電極を使用することで、空間内を広範囲に高電界化できる。
実証実験では、せきやくしゃみによって空間中に漂う新型コロナウイルスの微粒子を模倣するために、1m3の密閉空間にコンプレッサー式ネプライザーで新型コロナウイルスの懸濁液を浮遊させた。空間内の空気を送風機で循環させ、浮遊する新型コロナウイルスがヘルスエアー技術の放電電界空間を通過するようにした。
密閉空間の空気からウイルスを回収後、新型コロナウイルスの感染力を測定したところ、ヘルスエアー技術の通電を開始してから5分後には、新型コロナウイルスの残存率が99.2%低減していた。
飛沫や微粒子に含まれて空気中に浮遊するウイルスが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関わっているという報告例が増えている。ヘルスエアー技術は、三菱電機が2012年に開発した技術であり、これまでの実証試験では、付着状態の新型コロナウイルス、A型インフルエンザウイルス、スギ花粉アレルゲンなどにおいて、有害物質の低減効果が示されている。
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