ローソンとファミマが燃料電池トラック導入、トヨタいすゞ日野が車両開発:燃料電池車
ローソンとファミリーマートは2021年8月10日、小型トラックタイプの燃料電池車(FCV)による走行実証を開始すると発表した。
ローソンとファミリーマートは2021年8月10日、小型トラックタイプの燃料電池車(FCV)による走行実証を開始すると発表した。ファミリーマートはトヨタ自動車といすゞ自動車が開発した小型燃料電池(FC)トラックを、ローソンはトヨタと日野自動車が共同開発した車両を導入する。
ローソンは、東京都大田区の低温配送センターに小型FCトラック1台を導入。2021年7月30日から東京都内のローソン20店舗への弁当やおにぎりの配送に使用している。
車両は日野「デュトロ」をベースに、トヨタ「ミライ」のFCスタックや水素タンクを搭載した。走行に必要な動力と冷蔵/冷凍ユニットの電源をFCユニットでまかなう。水素貯蔵量は約10kgで走行距離は260km、最高速度は時速80kmだ。最大積載量は2650kgとなる。
ファミリーマートでは、愛知県岡崎市のファミリーマート岡崎定温センターを起点とした1日3便の店舗配送に小型FCトラック1台を使用する。走行実証は2021年10月以降に開始する。トヨタといすゞが共同開発した車両の諸元値は、走行距離が260km、水素貯蔵量が10kg、最大積載量が3トンとなる。走行実証では、既存の水素ステーションを活用しながら、走行距離や温度管理などの実用性や、水素充填(じゅうてん)の利便性を検証する。
ローソンとファミリーマート、セブン‐イレブン・ジャパン、トヨタ、日野の5社は2020年12月に小型FCトラックの導入を検討し、将来の普及に向けた環境整備に取り組むことで合意していた。当初から、2021年に導入検討に当たって走行実証を行うことや、2022年以降も市場での使用実態を通して、FCトラックや水素ステーションの課題を洗い出すことが合意に含まれている。
トヨタ、いすゞ、日野の3社は新会社「Commercial Japan Partnership Technologies(CJPT)」を設立し、商用車の電動化や、コネクテッドサービスの連携による物流ソリューションに取り組む方針を決めた。これに合わせていすゞとトヨタは428億円を相互出資する資本提携を結んだ。
CJPTには軽商用車を手掛けるスズキとダイハツ工業も参加。いすゞや日野の大型車から、スズキとダイハツの軽自動車まで連携することで、物流全体の効率化を目指す。
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