マツダとミズノが歩行もペダル操作もしやすいドライビングシューズを共同開発:デザインの力
マツダとミズノが、新コンセプトのドライビングシューズ「マツダ/ミズノ ドライビングシューズ」を共同開発した。両社の技術を生かした同シューズは、日常での履き心地の良さと、運転時の繊細なペダルフィールを兼ね備えている。
マツダは2021年7月6日、ミズノと共同開発した、新コンセプトのドライビングシューズ「マツダ/ミズノ ドライビングシューズ」を発表した。同日からクラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」で、同シューズの予約受注を開始した(※注1)。Makuakeでの販売価格は3万9600円(税込)となる。
注1:2021年7月11日時点で生産予定数が完売したため、現在予約受注は終了している。
ドライバーに「軽快でありながら、安定性の高い快適なペダル操作」を提供する、マツダ/ミズノ ドライビングシューズは、「人間中心のモノづくり」という、両社共通の開発思想のもとに共同開発したものだ。思い通りの運転走行を可能にするマツダの技術と、ミズノが競泳水着開発で培った姿勢制御技術が生かされている。
シューズの足首周りには伸縮性の高いストレッチ素材を採用。ストレッチ素材の収縮力が、つま先を引き上げる動作をサポートし、アクセルペダルとブレーキペダルの踏みかえを容易にする。
ペダル踏み込み時は、ストレッチ素材の伸びを抑える力によって踏み込み加減の微調整がしやすくなるため、より緻密なペダルコントロールができる。踏み込み時の、つま先を引き下げる動作をスムーズにするのは、アキレス腱部分のジャバラ構造メッシュだ。ジャバラ構造メッシュは、ペダル操作時のアッパーの変形を吸収してシューズのフィット感を保つ機能も持つ。
ソールに取り入れた「MIZUNO COB(ミズノコブ)」は、人間の足裏の感覚特性に基づいた特殊な凹凸構造を、足裏と接するミッドソールの上面に配置している。これにより、歩行など日常使用での履き心地の良さと、運転時の繊細なペダルフィールを両立している。
アウトソールには、床面への足の接地を安定させるラウンドソールを採用している。丸みを持たせたかかと部分をアッパーまで巻き上げて、床面との接地面積を増やし、同時に足の回転をしやすくした。これにより、安定したペダル踏み込みとスムーズな踏み替えが可能だ。
同シューズの商品化に当たっては、コンセプト段階からマツダのカーデザイナーとミズノのシューズデザイナーが共創した。シューズデザインはマツダのカーデザイナーが担当し、美しいフォルムと機能性を高い次元で融合させている。生産はミズノの国内工場で職人が1つずつ丁寧に作っている。
同シューズは、質量が約270g(27.0cm片方)で、カラーはグレー×ブラック。サイズは24.5〜28.0cm(EE相当)を展開する。
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