医療用X線画像処理装置の組み立てを容易にする、高性能読み出しICを発売:医療機器ニュース
amsは、デジタルX線フラットパネル検出器向けの読み出しIC「AS585xB」シリーズを発売した。X線画像処理装置の一般的なコネクタに対応しており、組み立てコストを削減できる。
amsは2021年4月22日、デジタルX線フラットパネル検出器(FPD)向けの読み出しIC「AS585xB」シリーズを発売した。X線画像処理装置の一般的なコネクタに対応しており、組み立てコストを削減できる。
16ビット、256チャンネルの電荷−デジタル変換器で、低ノイズを特徴とする。静的および動的デジタルX線スキャナー、デジタルX線撮影、乳房X線検査(マンモグラフィ)、X線透視、画像治療、非破壊検査(NDT)向けの産業用システムにおいて、鮮明かつ詳細な画像を生成できる。
新しいチップオンフレックス設計により低密度側に補強材の層を設け、一般的な市販コネクターとの互換性を備えた。組み込み自己テスト(Built-in Self-Test:BIST)機能を搭載したことで、組み立て後のデータ収集システムの正常な動作を正確に検証する。
ラインアップは、「AS5850B」「AS5851B」「AS5852B」の3種類を用意する。AS5850Bは低ノイズと高速化に最適化しており、従来のTFTディテクタと最新のIGZOディテクタ技術にも対応する。外科手術用のX線撮影など、動的または高速の画像処理に適している。
AS5852Bは、低消費電力での動作に最適化し、ポータブル機器やバッテリー駆動の画像処理装置に対応。バッテリーの駆動時間を延長しつつ、高品質な画像を取得できる。また、AS5851Bは、消費電力とスピードのバランスを最適化する。
いずれも共通のフットプリントとピン配列を採用する。既にサンプル出荷を開始しており、評価キットも提供している。
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