AI技術を活用した手術後の残存ガーゼ認識機能を、X線撮影装置に搭載:医療機器ニュース
富士フイルムは、AI技術を用いて開発した「手術用ガーゼの認識機能」を、超軽量移動型デジタルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO AQRO」の新オプションとして発売する。医療従事者が手術後に残存ガーゼの有無を確認する際の負担を軽減する。
富士フイルムは2020年4月2日、AI(人工知能)技術を用いて開発した「手術用ガーゼの認識機能」を発表した。同機能を超軽量移動型デジタルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO AQRO (カルネオアクロ)」の新オプションとして、同年5月1日に発売する。
手術用ガーゼ認識機能は、ディープラーニング技術を利用して開発。X線画像の中から体内に残っている手術用ガーゼを認識し、対象範囲を四角く囲ってマーキングする。富士フイルムが長年培ってきたX線画像処理技術とAI技術を組み合わせることで、少ない学習データからガーゼの認識性能を高めた。
一般的に、外科手術後にガーゼが体内に残っていないかを確認するには、術前後のガーゼ枚数を数えたり、手術室内で撮影したX線画像にガーゼに織り込まれた造影糸がないかを目視で確認する。しかし、画像中の造影糸は白く細いため、骨と重なった場合など目視では確認しにくいことがある。
FUJIFILM DR CALNEO AQROは、富士フイルムが2016年11月に発売した総重量90kgの超軽量移動型X線撮影装置で、ベッドサイドや手術室で使用できる。富士フイルムは、同装置に今回開発した手術用ガーゼの認識機能を搭載することにより、医療従事者の作業負荷軽減に貢献する。
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