AI技術により、高精度かつ迅速な骨密度測定が可能なX線TVシステム:医療機器ニュース
島津製作所は、AI技術を用いた画像処理により骨密度測定でのX線画像を高精度かつ迅速に提供する機能と、同機能を導入できるX線TVシステム「SONIALVISION G4 LX edition」を発表した。被ばく量を半減するデジタル画像処理技術を標準搭載する。
島津製作所は2019年8月6日、AI(人工知能)技術を用いた画像処理により、骨密度測定でのX線画像を高精度かつ迅速に提供できる機能を開発したと発表した。また、同機能をオプションで導入できるX線TVシステム「SONIALVISION G4 LX edition」を同日発売した。価格は2億1400万円からとなる(税別)。
骨密度測定は骨粗しょう症の診断や経過観察、治療過程などで実施されている。島津製作所は、2014年に2種類のX線で測定するDXA法を採用したX線TVシステムでの骨密度測定に成功している。だが、この時のシステムは、測定部位のX線画像から骨領域を正しく抽出する「セグメンテーション」のため、一定の経験と作業時間が必要だった。
そこで今回、深層学習を用いて、瞬時に熟練者の作業を実行する「AIアシスト機能(オプション)」を開発した。X線撮影の後すぐに、セグメンテーションされた画像が表示され、骨密度が測定できる世界初の機能だ。
また、新製品SONIALVISION G4 LX editionには、リアルタイムでノイズを低減し、低線量下での画像の視認性を高めることで、被ばく量を同社比で半分以下に低減するデジタル画像処理技術「SCORE PRO Advance」を標準搭載した。
さらに、検出器から180cmまで引き伸ばせるX線管を採用することで、胸部撮影検査や車いすでの検査などにも対応する。同システムと一般撮影システムを同じ検査室に設置し、組み合わせて多目的に使用することもできる。
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